寒くなってくると、腰の重さや痛みがなかなか抜けない、と感じる方もいらっしゃると思います。カイロを貼るか、湿布を貼るか、手が止まる方も多いのではないでしょうか。
「急に痛めたら冷やす、長引いたら温める」と聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。この記事では、その目安がどこまで確かなのかを確かめました。
先にお答えします。長引く腰痛について、温めるのと冷やすのとどちらがよいかを決められる研究は、当店が調べた範囲では見つかりませんでした。
医療研究の国際的なまとめ(コクラン)も、3か月以上続く腰痛を温めることについては、判断できるだけの研究がないとしています。冷やすことについては、痛みの期間を問わず、研究が足りないという結論でした。
ですので、当店からお伝えできるのは次の3つです。ご自分が楽だと感じるほうを選ぶこと。やけどや凍傷に気をつけて使うこと。そして、温めても冷やしても痛みが強くなるときは、整形外科を受診することです。
この記事で「長引く腰痛」と書いているのは、おおむね3か月以上続く腰痛のことです。急に腰を痛めた直後のことは、記事の途中でご紹介する別の記事にまとめています。
先に、この記事の中身をまとめておきます。
- 温めたり冷やしたりする前に、整形外科を受診していただきたい腰痛
- 「急に痛めたら冷やす、長引いたら温める」の根拠がどこまであるのか
- 長引く腰痛について、医療の指針がすすめていること
- 温めて痛くなったとき、冷やすほうが合うと感じたときの考え方
- カイロや湯たんぽ、保冷剤を腰に使うときの注意点
最初に、ご自分で温めたり冷やしたりする前に、確かめていただきたいことからお伝えします。
温めたり冷やしたりする前に、整形外科を受診していただきたい腰痛
最初に、ご自分で様子を見ないでいただきたい腰痛からお伝えします。温めるか冷やすかを考えるのは、その後です。
整形外科の学会(日本整形外科学会)は、腰痛の説明の中で、次のような症状を挙げています。
- 横になって休んでいても、痛みが軽くならない
- 痛みが、日を追うごとに強くなっている
- 熱が出ている
- 脚がしびれる、脚に力が入らない
- 尿がもれる
こうした症状があるときは、放っておいたり、ご自分で手当てをしたりせず、すみやかに整形外科を受診するよう呼びかけています。
腰以外の病気が、腰の痛みとして出ることがあります
同じ学会の説明では、腰痛の原因には、腰の骨や筋肉以外の病気も挙げられています。たとえば、次のようなものです。
- 大動脈の病気(解離性大動脈瘤)
- 尿管の結石
- 子宮筋腫や子宮内膜症
- 胆のう炎や十二指腸潰瘍
- 股関節の病気(変形性股関節症)
心理的なことが原因になる場合があることも、あわせて書かれています。
整形外科で調べることと、治療
腰そのものが原因の腰痛にも、いろいろなものがあります。学会の説明では、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨折、背骨の感染や腫瘍などが挙げられています。
原因によって治療が変わるため、正しく診断することが大切だとされています。必要に応じて、レントゲンや、磁気を使った画像の検査、血液や尿の検査などを行うそうです。
治療としては、飲み薬、注射、コルセット、リハビリ、手術などが挙げられています。ご自分で温めたり冷やしたりするのとは、まったく別の対応です。
腰を温めると心地よく感じても、こうした病気が隠れていることがあります。痛みの様子がいつもと違うと感じたら、先に医療機関で診てもらってください。
脚へ広がる痛みやしびれについては、次の記事でまとめています。
あわせて読みたい:坐骨神経痛とは何を指す言葉か。施術を受けていい状態と、先に受診していただきたい状態の分け方
腰痛は、日本でいちばん多い自覚症状です
厚生労働省の国民生活基礎調査では、病気やけがなどによる自覚症状を尋ねています。2025年の調査では、腰痛は男女ともに1位でした。
それだけ多くの方が、腰の痛みと付き合いながら暮らしています。温めるか冷やすかという迷いも、身近なものだと思います。
それでも、温めるか冷やすかについて、はっきりした目安を示した資料は多くありません。次の章で、よく聞く目安を確かめていきます。
「急に痛めたら冷やす、長引いたら温める」は、どこまで確かなのか
この目安は、ネットの記事でもよく見かけます。当店は、この目安を裏づける研究を探しました。
研究のまとめが調べたこと
見つかったのは、医療研究の国際的なまとめ(コクラン)が、腰痛を温めることと冷やすことを調べたものです。2006年に公表され、9つの試験、1,117人が対象になっています。
このまとめでは、腰痛を痛み始めてからの期間で分けて、結果を見ています。いちばん長い区分は、痛み始めて12週を超えるものです。
12週はおよそ3か月です。この記事でいう長引く腰痛は、この区分にあたります。
このまとめには、国ごとの腰痛の指針で、温めることと冷やすことのすすめ方がまちまちだと書いてあります。その1つとして、アメリカの国の機関が1994年に出した指針が紹介されています。
その指針は、急な腰痛を温めたり冷やしたりすることに、効果の根拠は見つからなかったとしていました。一方で、一時的に楽に過ごすために、ご自分で温めたり冷やしたりすることはすすめていた、と紹介されています。
温める方法としては、湯たんぽ、温めたタオル、お風呂、サウナ、電気のパッド、貼るタイプの温熱シートなどが挙げられています。冷やす方法としては、氷、冷たいタオル、保冷剤、氷でさすることなどです。
まとめの結論
結論を、痛みの期間と方法ごとに表にしました。
| 調べた内容 | まとめの結論 |
|---|---|
| 痛み始めて3か月未満の腰痛を、貼るタイプの温熱シートで温めた | 効果のない飲み薬(偽薬)と比べて、短い期間に限り、痛みと動きにくさが少し軽くなった。ただし試験の数は少ない |
| 3か月未満の腰痛で、温熱シートに、体を動かす運動を組み合わせた(1つの試験) | 温めるだけのときより、痛みが軽くなり、動きもよくなった |
| 3か月以上続く腰痛を温めた | 判断できるだけの研究がない |
| 腰痛を冷やした | 見つかった研究は3つで、どれも質が低く、結論を出せない |
| 温めるのと冷やすのを比べた | 研究によって結果が食い違っていて、どちらがよいか決められない |
表のとおり、温めることについて根拠があったのは、3か月未満の腰痛に限られます。それも、短い期間に少し軽くなった、という範囲です。
まとめの著者は、腰痛を温めたり冷やしたりする、広く行われている手当てを支える根拠は限られている、と結論しています。質の高い試験が、まだ足りないということです。
このまとめが対象にしていない腰痛
このまとめは、18歳以上で、はっきりした原因の分からない腰痛を対象にしています。原因となる病気がある腰痛は、対象から外されています。
脚へ広がる神経の痛みを伴う腰痛も、同じく外されています。脚のしびれや痛みがある方には、このまとめの結論はそのまま当てはまりません。
脚のしびれや痛みがある方は、温めるか冷やすかを考える前に、整形外科を受診してください。
このまとめから言えること
「長引いたら温める」という目安は、このまとめからは裏づけられません。かといって、温めるのが悪いという結果が出ているわけでもありません。
「急に痛めたら冷やす」のほうも同じです。冷やすことを調べた研究が少なすぎて、よいとも悪いとも言えない状態です。
研究が少ない理由の1つとして、まとめは比べ方の難しさを挙げています。温められているかどうかは、受けているご本人に分かってしまいます。
薬の試験のように、どちらを受けたか分からない形で比べることが難しいのです。そのため、質の高い試験を組みにくいとされています。
このまとめには、公表された後の研究は含まれていません。その上で、当店が調べた範囲では、この結論を覆す資料は見つかりませんでした。
なお、このまとめに含まれた試験では、大きな副作用の報告はありませんでした。温熱シートでは、肌が一時的に赤くなった方がいましたが、すぐに引いたとされています。赤みが引かないときは、後の章でお伝えする低温やけどを疑ってください。
また、このまとめに含まれるのは、温熱シートや電気毛布、氷などを使った海外の試験です。当店の施術を調べたものではありません。
急に痛めた直後の腰痛については、冷やすか温めるかも含めて、2026年10月に公開したぎっくり腰の記事にまとめています。
あわせて読みたい:ぎっくり腰のときにやってはいけないこと。「マッサージはだめ」に根拠はあるのか、整形外科の学会と、医療研究の国際的なまとめで確かめました
長引く腰痛について、医療の指針や学会がすすめていること
では、長引く腰痛には何がすすめられているのでしょうか。ここでは、2つの資料を見ていきます。
アメリカの内科の学会の指針
アメリカの内科の学会(米国内科学会)は、2017年に腰痛の指針を公表しています。ここでは、薬を使う前にまず試す方法が、痛みの期間ごとに挙げられています。
痛み始めて3か月未満の腰痛では、体の表面を温めることが、すすめる方法の1つに入っています。根拠の質は「中等度」、つまり中くらいと評価されています。あわせて、多くの方は手当ての内容にかかわらず、時間とともに良くなると書かれています。
一方、3か月以上続く腰痛の一覧には、温めることは入っていません。挙げられているのは、運動、ヨガや太極拳、体の力を抜く練習、考え方のくせに働きかける心理療法などです。
整形外科の学会の説明
整形外科の学会の説明では、腰痛が長引く悪循環に触れています。腰痛で暮らしが制限されると、体力が落ち、腰を支える筋力も衰えます。
気持ちも落ち込みやすくなり、さらに腰痛が起こりやすくなる、という流れです。その悪循環を断つために、中腰にならないなど、ふだんの姿勢に気をつけることを挙げています。
腰を支える力をつけるための運動や体操を続けることも、あわせて書かれています。どんな運動をするかは、整形外科で相談するよう案内されています。
2つの資料の要点を、表にまとめました。
| 資料 | 長引く腰痛について書かれていること |
|---|---|
| アメリカの内科の学会の指針(2017年) | まず試す方法として、運動、ヨガや太極拳、体の力を抜く練習、心理療法などを挙げている。温めることは、この一覧に入っていない |
| 整形外科の学会の説明 | 中腰を避けるなど、ふだんの姿勢に気をつける。腰を支える運動や体操を続ける。運動の内容は整形外科で相談する |
どちらの資料でも、長引く腰痛について挙げられていたのは、運動など体を動かすことや、ふだんの過ごし方の工夫でした。温めることや冷やすことは、挙げられていません。
研究のまとめ(コクラン)では、温熱シートに運動を組み合わせると、温めるだけより痛みが軽くなっていました。ただし、これは3か月未満の腰痛を調べた1つの試験の結果で、長引く腰痛にも当てはまるかは分かりません。
温めるか冷やすかは、ふだんを過ごしやすくするための工夫、くらいに考えるのが近いと当店は考えています。
腰痛を温めて、かえって痛くなったとき
温めたら、痛みが強くなった気がする。そうした場合は、まず温めるのをやめてください。
製品の事故を調べる国の機関(製品評価技術基盤機構)も、注意を呼びかけています。違和感があるときや熱いと感じたときは、すぐに使うのをやめることです。痛みが増すのも、やめどきの合図と考えてください。
研究のまとめで見たとおり、温めるのが長引く腰痛に効くという根拠は、確かめられていません。合わないと感じたら、続ける理由はありません。
痛みが強いままの日が続くとき
温めるのをやめても、温める前より痛みが強いままの日が続く。日を追うごとに強くなる。そうした場合は、整形外科を受診してください。
熱がある、脚がしびれる、といった症状が一緒に出ているときも同じです。温め方の問題ではなく、別の原因があるかもしれません。
温めたところが、赤い・ひりひりするとき
カイロや湯たんぽを当てていた場所が、赤くなる、ひりひりする、水ぶくれができる。そうした場合は、低温やけどの可能性があります。
低温やけどは、皮膚の深いところまで傷んでいることがあります。見た目より重いことがあるので、早めに皮膚科などを受診してください。
腰痛を冷やすほうが、合うと感じるとき
長引く腰痛なのに、冷やしたほうが楽に感じる。そういう方もいらっしゃると思います。
研究のまとめ(コクラン)で、冷やすことを調べた3つの研究のうち2つは、温めることとの比較でした。1つは差がなく、もう1つは氷でさするほうがよいという結果でした。
どちらも質の低い試験で、まとめは結果が食い違っているとしています。なお、温めるのと冷やすのを交互に行った試験は、このまとめには含まれていませんでした。
つまり、「長引いたら冷やしてはいけない」という根拠もありません。冷やして楽に感じるなら、無理に温めに切り替えなくてもよいと当店は考えています。
保冷剤で凍傷になった事例があります
冷やすときに気をつけたいのが、凍傷です。東京都は2019年に、保冷剤による凍傷への注意を呼びかけています。
その中には、ぎっくり腰で腰を冷やそうと保冷剤を当て、凍傷になった事例が紹介されています。急に痛めたときの事例ですが、冷やし方の注意は長引く腰痛でも同じです。使っていたのは、マイナス17度まで下がる保冷剤でした。
東京都が保冷剤を調べたところ、マイナス15度と表示されたものは、3時間たってもマイナス10度以下でした。保冷剤は、思ったより長く冷たいままです。
同じ調べでは、35度に温めた鶏肉に保冷剤を当てています。30分で、肉の一部が凍りました。保冷剤をそのまま当てることの危うさが、よく分かる結果です。
東京都は、対策として次の2つを挙げています。
- タオルで包むなどして、肌に直接ふれないようにする
- 同じ場所に、長い時間当て続けない
保冷剤を使うときは、この2つを目安にしてください。
温めるか冷やすか、迷ったときの考え方
ここまでの内容を、ご自分の感じ方ごとに整理します。どれも、この記事で確かめた資料の範囲でお伝えできることです。
| ご自分の感じ方 | 資料から言えること |
|---|---|
| 温めると心地よい | ご自分の感じ方で選べる。やけどの注意を守り、同じ場所に長く当てない |
| 冷やすと心地よい | 冷やしてはいけないという根拠はない。保冷剤はタオルで包み、長く当てない |
| どちらでも変わらない | 無理に続けなくてよい。指針や学会が挙げる、体を動かすことを続ける |
| どちらでも痛みが強くなる | やめて、整形外科を受診する |
| しびれや熱、尿のもれがある | 温め方や冷やし方の問題ではない。すみやかに整形外科を受診する |
表のいちばん上と2番目は、どちらを選んでもよいということです。決め手になるのは研究ではなく、ご自分の体の感じ方です。
迷ったときは、まず短い時間だけ試してみてください。心地よさが続くほうを、注意点を守りながら使うのが現実的だと思います。ただ、心地よく感じる温度でも、低温やけどは起こります。次の章の注意点もあわせてご覧ください。
温めたり冷やしたりして、ほっとしている間に、少しずつ体を動かす。これは研究で確かめられた組み合わせではなく、指針の内容から当店が考えている過ごし方です。
カイロや湯たんぽで腰を温めるときの注意点
次に、温めるときの注意点です。寒い時期は、カイロや湯たんぽ、電気毛布を使う機会が増えます。
低温やけどは、熱くない温度でも起こります
製品評価技術基盤機構は、2023年に低温やけどの事故について注意を呼びかけています。そこで、温度と、やけどになるまでの時間の目安が紹介されています。
| ふれている物の温度 | やけどになるまでの時間の目安 |
|---|---|
| 50度 | 2分から3分 |
| 47度 | 45分くらい |
| 46度 | 30分から1時間くらい |
| 45度 | 1時間から3時間 |
| 44度 | 3時間から4時間以上 |
47度と46度の時間の並びは、元の資料に書かれているとおりです。どの温度でも、ふれている時間が長いほど危ないことに変わりはありません。
この目安は、製品の安全を扱う団体(製品安全協会)の資料から紹介されたものです。同じ資料では、37度から38度ほどの便座でも、やけどと診断された事例が紹介されています。
製品評価技術基盤機構は、数時間、体を押しつけていたことや、肌の個人差が影響したことも考えられる、としています。温度が低くても、時間が長ければ起こるのが低温やけどです。
事故の知らせがあった製品も挙げられています。電気あんか、湯たんぽ、暖房便座、電気毛布、使い捨てカイロ、スマートフォンです。
その中の1つが、電気あんかを使って眠り、翌朝、すねにやけどを負っていた事例です。皮膚を移植する手術を受け、治るまで2か月と診断されています。
製品評価技術基盤機構の記事では、温度を測った結果、この電気あんかに異常は見つからなかったとされています。製品が壊れていなくても、使い方しだいで低温やけどは起こります。
国の機関が挙げる、低温やけどを防ぐポイント
製品評価技術基盤機構は、事故を防ぐポイントとして、次のことを挙げています。
- 同じ場所を、長い時間温めない
- 違和感があるときや、熱いと感じたときは、すぐに使うのをやめる
- 湯たんぽや電気あんかは、厚手のタオルやカバーで包んでも、低温やけどになることがある
- 使い捨てカイロや靴用のカイロは、決められた場所以外に使わない
- 取扱説明書をよく読み、正しく使う
靴用のカイロを腰に貼るなど、本来の使い方と違う使い方は避けてください。商品ごとの説明書きを、一度確かめておくと安心です。
腰に使うときに気をつけたいこと
腰が冷えてつらい夜ほど、カイロを貼ったまま布団に入りたくなるものです。ただ、眠っている間は、熱いと思ってもすぐには外せません。
製品評価技術基盤機構と日本カイロ工業会の呼びかけから、腰に使うときに関係するものをまとめました。
| 使う物 | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 使い捨てカイロ | 肌に直接当てない。ベルトやサポーターで押さえつけない。眠るときは使わない |
| 湯たんぽ | 布団が温まったら、布団から出す。カバーで包んでいても、低温やけどは起こる |
| 電気あんか・電気毛布 | 布団が温まったら、スイッチを切る。同じ場所を長い時間温めない |
| 保冷剤 | タオルで包み、肌に直接ふれないようにする。同じ場所に長い時間当てない |
表のとおり、温める物も冷やす物も、気をつける点は似ています。肌に直接ふれさせないこと、同じ場所に長く当てないことです。
腰はご自分の目では見えにくい場所です。赤くなっていないか、ときどき手で触れたり、ご家族に見てもらったりすると安心です。
ベルトやサポーターで押さえつけると、やけどしやすくなります
腰にカイロを貼り、その上からベルトやサポーターを締める方もいらっしゃると思います。日本カイロ工業会は、この使い方に注意を呼びかけています。
押さえつけると、その部分の血の流れがおさえられ、皮膚の温度が上がって、やけどしやすくなるためです。椅子の背もたれに、カイロを貼った腰を長く押しつけるのも同じです。
使わないほうがよい場面と、使う方
日本カイロ工業会は、熱いと思ってもすぐに対処できない使い方はやめるよう呼びかけています。例として挙げられているのは、次のような場合です。
- 眠るとき
- お子さま、ご高齢の方
- 血の流れに障害のある方
- 体が不自由な方
当てはまる場合は、使う前に製品の注意書きもあわせて確かめてください。
お風呂で温めるとき
腰をお風呂で温めたい方もいらっしゃると思います。消費者庁は、冬に多い高齢の方の入浴中の事故に注意を呼びかけています。その中で、お湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安に挙げています。
脱衣所や浴室を暖めておくこと、入浴前に水分をとることも、あわせて挙げられています。部屋ごとの温度の差を、温度計で確かめることもすすめられています。
お風呂に入って痛みが強くなるときは、やめてください。熱があるときは、入浴より先に受診を考えてください。
腰の重さが気になるときの、当店の施術
ここからは、当店の施術についてです。
当店のメニューは、タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つです。どちらもリラクゼーションのための施術で、腰痛を治すものではありません。
この記事で見てきたとおり、長引く腰痛でまず大切なのは、受診の目安を知り、体を動かすことを続けることです。当店の施術は、その代わりにはなりません。
その上で、腰の重さが気になる時期に、ゆっくりと過ごす時間として、ご利用いただければと思います。
タイ古式マッサージは服を着たまま受けていただき、たいていは脚から始めて上半身へ進みます。腰まわりの圧や順番は、ご希望をうかがって決めます。
バリニーズアロマは、オイルを使って点ではなく面で触れていく施術です。腰を押されるのが苦手な方は、こちらを選ばれることもあります。
施術のときに、当店がしていること
- 始める前に、カウンセリングシートで腰の具合を含めたお体の状態をうかがう
- 腰まわりの圧の強さは、ご希望に合わせて変える
- 腰に痛みや違和感が出たときは、その場でお知らせいただく
- 途中で眠ってしまわれても、終わりの時間にはお声がけする
圧の加減は途中からでも変えられますので、そのつどお申し付けください。
当店がしないこと
- 骨を鳴らすための急な操作はいたしません
- 腰痛の原因の見立てや治療は、医療機関にお任せしています
- 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方の施術はお受けしていません
最初の章でお伝えした症状がある方や、腰の痛みで通院している方は、施術より先に医療機関でご相談ください。
施術をお受けできない状態については、次の記事にまとめています。
あわせて読みたい:タイ古式マッサージを受けられないケースとは?
よくあるご質問
腰痛は、温めるのと冷やすのとどちらがよいですか?
長引く腰痛について、どちらがよいかを決められる研究は、当店が調べた範囲では見つかりませんでした。医療研究の国際的なまとめでも、温めると冷やすを比べた結果は食い違っています。
楽に感じるほうを、やけどや凍傷に気をつけて使ってください。どちらでも痛みが強くなるときは、整形外科を受診してください。
腰痛のとき、湿布とカイロはどちらを使えばよいですか?
腰痛に湿布とカイロのどちらがよいかを比べた資料は、当店が確かめた範囲にはありませんでした。湿布は薬なので、どの湿布が合うかは、薬剤師や医師にご相談ください。
カイロを使う場合は、肌に直接貼らないこと、ベルトなどで押さえつけないこと、眠るときに使わないことを守ってください。湿布とカイロを一緒に使いたいときは、それぞれの説明書きを確かめてからにしてください。
腰痛を温めると楽になるのはなぜですか?
痛み始めて3か月未満の腰痛では、温熱シートで温めると、短い期間に痛みが少し軽くなったという研究があります。ただ、なぜそうなるのかまで確かめた資料は、当店が調べた範囲にはありませんでした。
3か月以上続く腰痛については、温めることを調べた研究自体が足りていません。楽に感じるかどうかを目安に、使い方に気をつけてご自分で選んでいただければと思います。
腰痛を温めたら、かえって痛くなりました。どうすればよいですか?
まず、温めるのをやめてください。温める前より痛みが強いままの日が続く、日を追うごとに強くなる場合は、整形外科を受診してください。
温めていた場所が赤く、ひりひりする、水ぶくれがあるときは、低温やけどかもしれません。見た目より重いことがあるので、早めに皮膚科などを受診してください。
腰痛のとき、温めるのと冷やすのを交互にするとよいですか?
研究のまとめ(コクラン)に含まれた試験の中に、温めるのと冷やすのを交互に行ったものはありませんでした。よいとも悪いとも、当店からはお伝えできません。
試してみる場合も、やけどと凍傷の注意点は同じです。肌に直接当てず、同じ場所に長く当てないようにしてください。
長引く腰痛を冷やすと、悪くなりますか?
冷やすと悪くなる、という根拠は、当店が調べた範囲では見つかりませんでした。冷やすことを調べた研究は少なく、よいとも悪いとも言えないのが現状です。
冷やして楽に感じるなら、保冷剤をタオルで包み、同じ場所に長く当てないようにしてください。
腰痛のとき、お風呂に入ってもよいですか?
本文でご紹介した消費者庁の目安は、お湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までです。入って痛みが強くなるときはやめてください。
熱があるときや、脚のしびれがあるときは、入浴より先に整形外科を受診してください。
腰痛のとき、カイロを貼ったまま寝てもよいですか?
日本カイロ工業会は、眠るときの使い捨てカイロの使用はやめるよう呼びかけています。熱いと思っても、すぐに対処できないためです。
湯たんぽや電気あんかも、布団が温まったら、取り出すかスイッチを切ってください。
腰痛のとき、温めるのと冷やすのを、日によって使い分けてもよいですか?
研究のまとめでも、温めるのと冷やすのどちらがよいか、結論は出ていません。その日に心地よく感じるほうを、ご自分の感じ方で選べます。
ただし、どちらを使っても痛みが強くなる日が続くときは、整形外科を受診してください。
腰痛を冷やすときは、何分くらい当てればよいですか?
腰痛を冷やす時間について、国や学会が示した目安は、当店が確かめた資料の中にはありませんでした。
東京都は、保冷剤を同じ場所に長い時間当て続けないよう呼びかけています。冷たさが痛く感じたり、肌の色が変わったりしたら、すぐに外してください。
腰痛のとき、一日中カイロで腰を温め続けてもよいですか?
製品評価技術基盤機構は、同じ場所を長い時間温めないよう呼びかけています。44度の物でも、3時間から4時間以上ふれ続けると、やけどになることがあるとされています。
使い捨てカイロを使うときは、袋の説明書きに書かれた使い方と時間を確かめてください。
温めるときは、時間を区切って、ときどき肌の様子を確かめてください。
腰痛で整形外科に行くと、どんなことをしますか?
整形外科の学会の説明では、必要に応じて、画像の検査や、血液や尿の検査などで原因を調べるとされています。原因によって治療が変わるためです。
治療には、飲み薬、注射、コルセット、リハビリ、手術などがあります。長引く腰痛では、体操や運動の内容を相談することもすすめられています。
長引く腰痛があっても、施術を受けられますか?
受けていただけるかどうかは、お体の状態によります。最初の章でお伝えした症状がある方や、腰の痛みで通院している方は、施術より先に医療機関でご相談ください。
施術の前には、カウンセリングシートでお体の状態をうかがいます。
圧の強さはご希望に合わせて調整いたします。施術中に痛みや違和感があれば、その場でお伝えください。
まとめ
長引く腰痛について、温めるのと冷やすのとどちらがよいかを決められる研究は、当店が調べた範囲では見つかりませんでした。「長引いたら温める」という目安も、研究のまとめからは裏づけられていません。
医療の指針が長引く腰痛にすすめていたのは、運動など、体を動かすことを続けることでした。温めるか冷やすかは、楽に過ごすための工夫として、ご自分に合うほうを選んでください。
どちらを選ぶ場合も、やけどと凍傷に気をつけてください。肌に直接当てない、押さえつけない、同じ場所に長く当てない、眠るときに使わない、の4つが基本です。
そして、最初の章でお伝えした症状があるときは、温めるか冷やすかを考える前に、整形外科を受診してください。
寒い季節に、ゆっくりと過ごす時間がほしいときは、どうぞお気軽にお越しください。お待ちしております。
全店舗を完全個室にし、タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つだけをご用意しています。卒業試験に合格したセラピストだけが施術を担当し、圧の強さはその場で調整いたします。受診の目安に当てはまらないことを確かめたうえで、体を休める時間がほしいときにご利用ください。
※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。休んでいても腰の痛みが軽くならない、だんだん強くなる、熱がある、脚がしびれる・力が入らない、尿がもれる。こうしたときは、整形外科などの医療機関にご相談ください。

コメント