タイ古式マッサージ

ぎっくり腰のときにやってはいけないこと。「マッサージはだめ」に根拠はあるのか、整形外科の学会と、医療研究の国際的なまとめで確かめました

腰に力が入らなくなって動けない。そういうときに検索すると、やってはいけないことの一覧が出てきます。

 

その一覧の中に、マッサージを受けることが入っています。当店が調べたかぎり、多くの記事がそう書いていました。

 

当店はタイ古式マッサージとバリニーズアロマのサロンです。ですので、この話を飛ばして書くことはできません。

 

この記事では、やってはいけないとされているものを1つずつ取り上げ、根拠が確認できたかどうかを並べます。そして当店が、ぎっくり腰のときに施術をお断りしている理由をお伝えします。

 

資料は、日本整形外科学会の解説と、コクランという国際的な団体のまとめを使います。コクランは、世界中の医療の研究を集めて評価し、その結果をまとめて公開しています。

腰の痛みは、自覚症状の中でいちばん多いものです

先に、どのくらいの方が抱えている症状なのかをお伝えします。

 

厚生労働省の国民生活基礎調査では、ふだん感じている自覚症状を尋ねています。2025年の国民生活基礎調査では、腰痛は男女ともに1位でした。

 

項目 国民生活基礎調査で分かること
男性の自覚症状 腰痛が1位
女性の自覚症状 腰痛が1位

 

 

この調査では、症状ごとの人数も図で示されています。ただし、公表された資料の形では年ごとの数値の対応を取り切れなかったため、当店は順位だけをお伝えします。

 

順位でも十分なことが分かります。腰の痛みは、特別な人に起こるものではなく、もっとも多くの方が抱えている症状です。

 

それだけ、やってはいけないことを知りたい方も多いはずです。

ぎっくり腰は、病名ではありません

日本整形外科学会の「ぎっくり腰」の解説は、こう始まっています。

 

いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛みを指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。

 

通称である、と学会が明記しています。ここが、話のすべての土台になります。

 

あとで見るとおり、学会は原因の候補をいくつも挙げています。原因が1つに決まらないなら、「ぎっくり腰にはこれが効く」という言い方は成り立ちにくくなります。

学会の説明にある、原因として考えられているもの

学会は、起こり方と原因の候補を挙げています。

 

項目 学会の解説に書かれていること
起こるきっかけ 何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときに起こることが多い
きっかけがない場合 朝起きた直後や、何もしないで起こることもある
多いと考えられる原因 腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかって、けがをしたような状態(捻挫、椎間板損傷)
多いと考えられる原因 腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷

 

 

2番目に注目してください。何もしないで起こることもある、と書かれています。

 

重い物を持ったという心当たりがないのに動けなくなった方は、ご自分の動作を責めてしまいがちです。学会の説明では、きっかけがない場合も含まれています。

そうでない場合もある、という記述

同じ解説には、続きがあります。こちらのほうが大事です。

 

下肢に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするとき。そういうときには、椎間板ヘルニアや、中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気の可能性もある。

 

さらに、こう書かれています。がんが転移して弱くなった背骨の骨折や、ばい菌による背骨や軟骨の化膿など、重大な原因が潜んでいることも時にある。

 

そして結びは、こうです。通常ではない強い腰痛のときは整形外科を受診して正しい診断を受ける。そして、万が一にも重大な原因に対して手遅れにならないように注意する必要がある。

 

このあと受診の話を先に置くのは、この記述を理由にしています。

すぐに受診していただきたい5つの症状

学会の「腰痛」の解説には、受診の目安がはっきり書かれています。該当する症状を並べます。

 

こういう症状があるとき
安静にしていても痛みが軽くならない
しだいに悪化する
発熱している
下肢がしびれたり、力が入らない
尿漏れがする

 

 

学会は、この場合の扱いまで書いています。放置したり自分で管理することは禁物で、すみやかに整形外科を受診されることをお願いします、という書き方です。

 

禁物とされているのは、放置と自己管理です。この5つがあるときに当店で施術をすれば、受診が遅れます。当店がお断りするのは、そのためです。

 

そして、同じ「腰痛」の解説にはもう1つ押さえておきたいことがあります。腰痛の原因として、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気も挙げられています。

 

腰以外の体の中に原因があることも含まれている、ということです。腰をほぐして済む話ではない場合があります。

 

あわせて読みたい:タイ古式マッサージはどんな人に向いているのか。向いている人と、受けられない人

「やってはいけない」として挙げられているもの

ここから本題です。よく挙げられている項目を並べ、当店が根拠を確認できたかどうかを書きます。

当店が確かめられたもの、確かめられなかったもの

よく挙げられる7つの項目を、根拠が確認できたかどうかで表に分けます。

 

やってはいけないとされている項目 当店が確認できた根拠
そのまま様子を見る(先の5つの症状があるとき) 学会が「放置したり自分で管理することは禁物」と書いています。根拠が確認できました
寝て安静にし続ける 安静を比べた無作為化試験のまとめで、動いているほうに小さな良い差が出ています(次の節で説明します)。当店では、学会が勧める運動の継続を、痛みが落ち着いたあとの話として受け止めています
マッサージを受ける(急性期) 学会は直接書いていません。コクランのまとめに、痛みの増加が有害事象として報告されています。後の節で詳しく書きます
温める 温熱については、痛みを減らしたという報告があります。「やってはいけない」とする根拠は見つかりませんでした
お酒を飲む ぎっくり腰のときの飲酒を調べた資料を、当店は見つけられませんでした
湯船に入る 同じく、根拠となる資料を見つけられませんでした
ストレッチをする 学会は運動や体操の継続を勧めています。痛みが強い時期の扱いについては、後の節で書きます

 

 

この表で、「やってはいけない」の根拠が確認できたものは上の2つでした。

 

残りの5つは、「やってはいけない」と言い切れる出典までたどれていません。ただし、マッサージと温めることには関連する研究があります。あとの節で取り上げます。

 

当店の方針を先に書きます。出典を確認できたものだけをお伝えし、確認できなかったものは「確認できなかった」とお伝えします。

寝て安静にすることについて

ここは、試験のまとめがある側です。ただし、出ている差は小さなものです。

学会が書いている悪循環

学会の「腰痛」の解説に、次の記述があります。

 

腰痛で日常生活が制限されてしまうと体力が低下し、腰を支える筋力も衰える。また精神的にも落ち込むために、さらに腰痛がおきやすくなります。

 

そして、こう続きます。悪循環を断ち切るためには、中腰にならないなど日常的姿勢に注意する。そして、腰の支持性を高めるための運動や体操を継続されるとよいでしょう。

 

動かないことそのものが、次の腰痛につながる。学会の説明は、そういう構造になっています。

無作為化試験のまとめの数値

安静と、動いていることを比べた研究のまとめもあります。コクランが2010年に公表したものです。

 

急性の腰痛と坐骨神経痛の方に対して、寝て安静にするよう助言した場合と、動いているよう助言した場合を比べています。10の試験が含まれ、急性の腰痛で両者を比べた試験は2本、401名でした。

 

表に出てくる標準化平均差は、差の大きさを表す数字です。0に近いほど差が小さいと読みます。

 

比べた内容 結果
急性の腰痛で、安静を助言された方と、動いていることを助言された方の痛み 安静の群のほうが、痛みが少し強かった。標準化平均差0.22、95パーセント信頼区間は0.02から0.41。根拠の質は「中等度」
同じ2群の、機能の回復 安静の群のほうが、回復が少し遅かった。標準化平均差0.29、95パーセント信頼区間は0.09から0.49。根拠の質は「中等度」
坐骨神経痛の方の、痛みと機能 安静と、動いていることの間に、ほとんどまたはまったく差がなかった。根拠の質は「中等度」

 

 

著者の結論は、次のとおりです。急性の腰痛がある人では、動いているよう助言すると、寝て安静にするよう助言するより、痛みと機能に小さな良い差が出る可能性がある。根拠の質は「中等度」。

 

差は「少し」です。劇的に悪くなるという話ではありません。ただ、急性の腰痛では、動いているほうに差が出ています。

 

ここで注意していただきたいことがあります。これは「痛いのに無理に動け」という話とは違います。動いていることを助言した群と比べた結果です。

冷やすか、温めるか

次に、よく書かれているもう1つの項目です。

「48時間は冷やす」の根拠を探しました

ぎっくり腰の記事には、最初の48時間は冷やし、その後に温めるという目安がよく書かれています。

 

当店はこの48時間という区切りの出典を探しました。見つけられませんでした。

 

そのかわり、温熱と冷却を調べたコクランのまとめが見つかりました。9つの試験、1,117名が含まれています。

 

調べた内容 結果
温熱ラップ療法(急性と亜急性が混ざった258名、2試験) 5日後の痛みを有意に減らした。加重平均差1.06、95パーセント信頼区間は0.68から1.45(0から5の尺度)
温めた毛布(急性の90名、1試験) 使った直後の痛みを有意に減らした。加重平均差マイナス32.20(0から100の尺度)
温熱ラップに運動を加えた場合(100名、1試験) 温熱ラップだけの場合より、7日後の痛みが減った
冷却 効果を評価するには、根拠が不十分だった
温熱と冷却の差 どちらが良いかについて、根拠が矛盾していた

 

 

表の数字の符号は、試験ごとの測り方の違いです。1.06もマイナス32.20も、温めた側の痛みが少なかったことを表しています。

 

著者の結論は、次のとおりです。腰痛に対する温熱と冷却という一般的な実践を支える根拠の基盤は限られている。そして、今後より質の高い無作為化試験が必要である。

 

整理します。温熱ラップは、痛みを短期に少し減らすという中等度の根拠がありました。ただし、試験の数は少数です。冷却には、評価に足る根拠がありませんでした。

 

そして、温熱と冷却を比べてどちらが良いかは、根拠が矛盾していて決められません。48時間という区切りは、当店が確認できた資料の中には出てきませんでした。

分かっている範囲でお伝えできること

温熱ラップに運動を加えると、温熱ラップだけのときより痛みが減ったという報告がありました。ここは覚えておく価値があります。

 

温めるか冷やすかを選ぶことより、動ける範囲で動いていることのほうが、根拠の裏づけがあります。

 

そのうえで、ご自分が楽だと感じるほうをお選びいただくのが現実的です。どちらかが害になるという根拠も、当店は見つけておりません。

お酒と湯船について

先の表の残り2つにも触れておきます。お酒を飲むことと、湯船に入ることです。

 

どちらも、ぎっくり腰のときにやってはいけないとする出典を、当店は見つけられませんでした。してよいとする出典も同じです。

 

ですので、当店からは良いとも悪いともお伝えしません。気になる場合は、整形外科を受診されたときにお尋ねください。

ストレッチをすることについて

やってはいけないものの一覧に、ストレッチが入っていることがあります。ここを分けて書きます。

 

学会が勧めているのは、腰の支持性を高めるための運動や体操の継続です。当店では、これを痛みが落ち着いたあとの話として受け止めています。

 

一方で、痛みが強い時期にストレッチをすることについて、学会の腰痛の解説に直接の記述は見当たりませんでした。

 

そのかわり、学会の寝違えの解説に参考になる記述があります。痛みを我慢してストレッチするのは逆効果の場合がある、というものです。

 

首の話ですので、腰にそのまま当てはめることはできません。ただ、考え方としては通じます。

 

当店がご案内するときの線引きも、ここに置いています。痛みを我慢していただく範囲には入りません。心地よいと感じる範囲で動かしていただきます。

 

そして、どの動きをどのくらいという具体的な内容については、整形外科での相談をお勧めします。学会が、個々の状態に応じたプログラムについてそう書いています。

マッサージを受けることについて

ここが、当店にとっていちばん都合の悪い節です。省かずに書きます。

医療研究の国際的なまとめ(コクラン)が言っていること

腰痛に対するマッサージを調べたコクランのまとめがあります。25の試験、3,096名が含まれています。

 

表には亜急性という言葉が出てきます。急性と慢性の間の時期のことです。

 

最初に、まとめの質の評価を書きます。著者は、根拠の質を「低い」から「非常に低い」と判断しました。理由はバイアスの危険と、精度の低さです。

 

そして著者の結論は、こうです。マッサージが腰痛に対する有効な治療であるという確信を、ほとんど持てない。

 

比べた内容 結果
亜急性と慢性の腰痛で、何もしない群と比べた痛み(761名、7試験) 短期ではマッサージのほうが良かった。標準化平均差マイナス0.75。ただし長期では差が出ていない
亜急性と慢性の腰痛で、ほかの治療を行った群と比べた痛み(964名、12試験) 短期も長期も、マッサージのほうが良かった。標準化平均差は短期マイナス0.37、長期マイナス0.40
同じ比較での、機能の状態 短期も長期も、差が出ていない
急性の腰痛で、何もしない群と比べた痛み(51名、1試験) 短期ではマッサージのほうが良かった。標準化平均差マイナス1.24。機能については差が出ていない

 

 

痛みについては短期で差が出ている。機能については差が出にくい。これが読み取れる範囲です。

 

長期について、1つだけ補足します。何もしない群と比べた場合、長期では差が出ていません。

 

一方で、ほかの治療を行った群と比べた場合は、長期でも差が出ていました。比べる相手によって結果が変わる、ということです。

 

この違いは、読み方を分けて考える必要があります。何もしない群との比較は、受けたこと自体の効果を見ています。ほかの治療との比較は、どちらを選ぶかを見ています。

 

そして、どちらの比較も、根拠の質は「低い」から「非常に低い」と評価されています。差の向きは分かっても、大きさを信じるには足りません。

急性の腰痛を見た試験は、1本51名だけです

ここが重要です。25試験のうち、急性の腰痛の方を含んでいた試験は1本でした。参加者は51名です。

 

ぎっくり腰は、急に起こった強い腰の痛みです。つまり、この話にいちばん近い状態を調べた試験は、51名の1本しかありません。

 

残りの試験は、亜急性または慢性の腰痛の方を対象にしていました。当店が「ぎっくり腰にマッサージが効きます」と言えない理由が、ここにあります。

もっとも多かった有害事象は、痛みの増加でした

このまとめには、有害事象の記述もあります。試験の間に起きた、好ましくない出来事のことです。

 

重い有害事象の報告は、どの試験にもありませんでした。一方で、もっとも多く報告された有害事象は痛みの増加で、参加者の1.5パーセントから25パーセントに報告されています。

 

試験によって、幅があります。上の端は4人に1人です。

 

当店はこの数字を、お客様にお伝えしておくべきものだと考えています。マッサージを受けると、痛みが増えることがある。その割合が記録されている、ということです。

 

あわせて読みたい:骨盤矯正は「バキバキ」しなくていい。タイ古式マッサージで股関節が“ふわっ”と緩む物理学的理由

当店が、ぎっくり腰のときに施術をお断りする理由

ここまでの材料を踏まえて、当店の扱いを書きます。

 

結論から申し上げます。急に起こった強い腰の痛みがある時期は、当店での施術をお断りしています。

 

理由は4つです。1つ目は、学会が通常ではない強い腰痛のときは整形外科の受診を勧めていること。

 

2つ目は、原因に重大な病気が含まれる場合があること。3つ目は、急性の腰痛へのマッサージを調べた試験が51名の1本しかなく、急性の時期に施術してよいと言える材料が足りないことです。

 

4つ目は、マッサージの試験全体で、痛みの増加が有害事象として報告されていることです。先に見たとおり、参加者の1.5パーセントから25パーセントでした。これは急性に限った数字ではありませんが、痛みが強い時期に重ねたくない、というのが当店の考えです。

お断りする状態

当店が施術をお断りする状態と、そのときの対応を表にまとめます。

 

こういう状態のとき 当店の対応
今まさに動けない、強い痛みがある 施術をお断りし、整形外科の受診をお勧めします
安静にしていても痛みが軽くならない 同じです。学会が受診を求めている症状です
しだいに悪化している 同じです
発熱している 同じです
下肢がしびれる、力が入らない 同じです
尿漏れがある 同じです

 

 

お断りすることを、あらかじめ書いておく理由があります。痛みのピークに予約を取っていただき、来店されてからお断りするのは、お客様の時間を奪ってしまいます。

 

そして、動けないほどの痛みがあるときに移動していただくこと自体に、無理があります。

お受けできる状態

一方で、お受けできる場合もあります。

 

こういう状態のとき 当店の対応
強い痛みの時期が過ぎ、日常の動作に戻れている お受けできます。腰まわりは圧を弱くし、範囲を狭めます
繰り返しているので、落ち着いている時期に施術を受けたい 落ち着いている時期であればお受けできます。再発の予防は、運動や体操の継続が基本です

 

 

2番目について補足します。ぎっくり腰を繰り返している方にとって、当店が関われるのは痛みのピークの外です。

 

学会が書いている悪循環は、体力と筋力が落ちることで次の腰痛が起きやすくなるという流れでした。再発の予防は、運動や体操の継続が基本です。当店の施術をお受けいただけるのは、落ち着いている時期です。

ご自分でできること

資料で確認できた範囲で、ご自分でできることを並べます。上の2つは、当店では痛みが落ち着いたあとの話として受け止めています。3つ目と4つ目は急性の時期を含む試験の報告です。

 

できること 資料で確認できたこと
腰の支持性を高める運動や体操を続ける 学会が、悪循環を断ち切るために継続を勧めています
中腰にならないよう、日常の姿勢に気をつける 学会が、同じ箇所で挙げています
動ける範囲で動いている 急性の腰痛では、安静を助言された群より、動いていることを助言された群のほうが痛みが少し弱く、回復が少し早かったという報告があります(コクランのまとめ。根拠の質は「中等度」)
温めることと、運動を組み合わせる 温熱ラップに運動を加えた試験で、温熱ラップだけの場合より7日後の痛みが減っています
体操や運動の内容を整形外科で相談する 学会が、個々の状態に応じたプログラムについて整形外科での相談を勧めています

 

 

この表に、当店の施術は入っていません。入れられる根拠を持っていないためです。

 

再発の予防は、表の1番目にある運動や体操の継続が基本です。落ち着いている時期であれば、当店の施術もお受けいただけます。

 

あわせて読みたい:【長距離運転の腰痛】SAでストレッチしても治らない?「腸腰筋」の強張りを解くタイ古式の物理ロジック

当店がしていることと、していないこと

当店の扱いを、項目ごとに理由を添えて表にまとめます。

 

項目 当店の扱い その理由
急に起こった強い腰の痛みがある時期の施術 お断りします 通常ではない強い腰痛なら、学会は整形外科の受診を勧めています。どちらに当たるかを、先に確かめていただくためです
先の5つの症状がある場合の施術 お断りします 学会が「放置したり自分で管理することは禁物」と書いています
骨を鳴らすことを目的とした急な操作 行いません 国の平成3年の通知は、カイロプラクティック療法について首への急な回転伸展操作(スラスト法)を名指しし、ほかの施術も人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象としています。この通知はすぐ下でも紹介します
ぎっくり腰が治るという案内 しません 急性の腰痛へのマッサージを調べた試験は、51名の1本だけです
痛みが増えることがあるというお伝え します コクランのまとめで、参加者の1.5から25パーセントに報告されています
落ち着いた時期の腰まわりの施術 行います 圧を弱くし、範囲を狭めてご案内します
ご自分で動かす形のご提案 行います 学会が運動や体操の継続を勧めています

 

 

当店はタイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化しています。全店舗を完全個室でご用意しています。

 

タイ古式マッサージは、服を着たまま受けていただく形です。腰まわりについては、脚と股関節の側から順に触れていきます。

 

バリニーズアロマは、オイルを使って面で触れていく形です。押される感覚が苦手な方は、こちらをお選びになることもあります。

 

なお、当店の施術は、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師のような国家資格にもとづく施術とは区分が異なります。治療を目的とした施術は行っておりません。

通い続けることについて

先の表に出てきた国の通知を紹介します。平成3年6月28日の医事第58号という通知です。厚生省(現・厚生労働省)が、手技による施術について都道府県に出したものです。

 

この通知の「適切な医療受療の遅延防止」という項目に、次の趣旨の記述があります。

 

長期間あるいは頻回の施術で症状が増悪する場合は、施術を中止する。腰痛等の症状が軽減、消失しない場合も同じである。

 

潜在的に器質的疾患を有している可能性があるためで、速やかに医療機関において精査を受けること。

 

名指しで腰痛が挙げられています。そして求められているのは、通い続けることではなく、やめて受診することです。

 

当店が回数を前提としたご案内をしていないのは、ここが理由の1つです。何回で変わるという根拠を確かめられていないうえに、軽くならない場合の扱いが通知に書かれています。

 

施術を受けても腰の状態が変わらないとき。そのときは、次の予約を取るより整形外科へ行っていただくほうが、お客様にとって早い道です。

ご予約のときにお伝えいただきたいこと

ぎっくり腰をされてからの日数を、お聞かせください。日数で線を引くためではなく、経過を知るために伺います。整形外科で言われた診断名があれば、その名前をそのままお伝えいただけると助かります。

 

脚のしびれや、力が入りにくい感覚がある場合は、必ずお聞かせください。この場合は受診が先になります。

 

繰り返している方は、回数とおおよその間隔もお聞かせください。落ち着いている時期の施術で、圧や範囲を決める参考にします。

よくあるご質問

ぎっくり腰のときに、マッサージを受けてはいけないのでしょうか?

学会の資料に、マッサージを受けてはいけないという記述は見つかりませんでした。一方で、通常ではない強い腰痛のときは整形外科の受診を勧める記述があります。

 

当店は、急に起こった強い腰の痛みがある時期の施術をお断りしています。理由は4つあります。学会が受診を勧めていること。重大な原因が潜む場合があること。急性の試験が51名の1本しかないこと。痛みの増加が報告されていることです。

ぎっくり腰のときは、冷やすのと温めるのとどちらが正しいですか?

コクランのまとめでは、冷却の効果を評価するには根拠が不十分だとされています。そして、温熱と冷却の差については根拠が矛盾しているとされています。

 

温熱ラップについては、5日後の痛みを減らしたという報告があります。ですので、どちらが正しいとは決められません。48時間という区切りの出典は、当店が探した範囲では見つかりませんでした。

ぎっくり腰のときは、安静にしていたほうがよいのでしょうか?

学会は、腰の支持性を高めるための運動や体操の継続を勧めています。日常生活が制限されると体力と筋力が落ち、さらに腰痛が起きやすくなるという悪循環の説明があります。

 

無作為化試験のまとめでは、安静を助言された群のほうが、動いていることを助言された群より痛みが少し強い結果でした。機能の回復も、少し遅くなっていました。

 

根拠の質は「中等度」と評価されています。

 

そのうえで、痛みを我慢して動くという話とは別です。動ける範囲で、という前提がつきます。

ぎっくり腰は何日で治りますか?

日数について、当店が根拠を確認できた資料はありませんでした。ぎっくり腰は通称であり、原因が1つに決まっていないためです。

 

ですので、整形外科で原因を分けていただくほうが見通しが立ちます。

ぎっくり腰を繰り返しているのですが、マッサージで予防できますか?

予防できるという根拠を、当店は持っておりません。ですので予防をうたうことはいたしません。

 

学会が勧めているのは、腰の支持性を高める運動や体操の継続です。落ち着いている時期であれば、当店の施術もお受けいただけます。

ぎっくり腰のあと、どのくらい経てばマッサージを受けられますか?

日数での線引きは、当店は設けておりません。強い痛みの時期が過ぎ、日常の動作に戻れていることを目安にしています。

 

整形外科を受診されている場合は、施術について医師に確認していただくのが確実です。

ぎっくり腰のときに整体で骨を鳴らしてもらうと早く治りますか?

当店は、骨を鳴らすことを目的とした急な操作は行いません。早く治るかどうかについて、当店から申し上げられる材料は持ち合わせていません。

 

お伝えできるのは、安全の側の話です。国の平成3年の通知は、カイロプラクティック療法について首への急な回転伸展操作(スラスト法)を名指しし、ほかの施術も人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象としています。

ぎっくり腰のときに湯船に入ってもよいですか?

入ってはいけないという根拠を、当店は見つけられませんでした。入ったほうがよいという根拠も同じです。

 

そのうえで、発熱がある場合は受診が先になります。学会が受診を求めている症状の1つです。

ぎっくり腰のときの施術は、タイ古式マッサージとバリニーズアロマのどちらを選べばよいですか?

強い痛みがある時期は、どちらもお断りしています。痛みが落ち着いたあとの話としてお答えします。

 

どちらが優れているかを比べた材料を、当店は持ち合わせておりません。感覚でお選びいただくのが現実的です。

 

動かされる感覚が心地よい方はタイ古式マッサージ。押される感覚が苦手な方はバリニーズアロマをご案内しています。

ぎっくり腰の施術を受けた翌日に痛みが強くなることはありますか?

ここでの施術は、痛みが落ち着いたあとにお受けいただく場合の話です。その場合でも、痛みが強くなることはありえます。

 

コクランのまとめで、痛みの増加が参加者の1.5パーセントから25パーセントに報告されています。起こりうることとしてお伝えしています。

 

翌日に痛みが強くなった場合は、当店にお知らせください。次回の圧と範囲を変えます。痛みが続く場合は、整形外科の受診をお願いします。

まとめ

ぎっくり腰について、確かめられたことを整理します。

 

ぎっくり腰は通称であり、病名や診断名ではありません。日本整形外科学会がそう明記しています。

 

原因はさまざまで、関節や椎間板のけが、筋肉や腱・靱帯の損傷が多いと考えられています。

 

一方で、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の可能性もあります。がんの転移による骨折や、ばい菌による化膿が潜んでいることも時にあると書かれています。

 

安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがする。この5つがあるときは、放置したり自分で管理することは禁物だと学会が書いています。

 

寝て安静にし続けることについては、安静を比べた試験のまとめで、動いているほうに小さな良い差が出ていました。根拠の質は「中等度」です。学会が勧める運動や体操の継続は、当店では、痛みが落ち着いたあとの話として受け止めています。

 

温熱ラップには、痛みを短期に少し減らすという中等度の根拠がありました。冷やすことについては、効果を評価するには根拠が不十分でした。温熱と冷却の差については根拠が矛盾しています。48時間という区切りの出典は見つかりませんでした。

 

マッサージについては、コクランのまとめで根拠の質が「低い」から「非常に低い」と評価されています。著者は、有効な治療であるという確信をほとんど持てないと結論しました。

 

そして、急性の腰痛を含んだ試験は51名の1本だけでした。

 

そして、もっとも多く報告された有害事象は痛みの増加で、参加者の1.5パーセントから25パーセントに報告されています。

 

これらを踏まえ、当店は急に起こった強い腰の痛みがある時期の施術をお断りしています。施術をお受けできるのは、強い痛みの時期が過ぎたあとです。

 

そして、施術を受けても症状が軽減しない場合は、通い続けるのではなく受診に切り替えていただきます。国の通知がそう求めています。

 

再発の予防は、学会が勧める運動や体操の継続が基本です。繰り返している方は、落ち着いている時期に、その習慣を続けていただきたいと考えています。

 

腰に不安を抱えたまま毎日を過ごしているなら。痛みが落ち着いたところで、一度ご相談ください。

 

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タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化し、全店舗を完全個室でご用意しています。セラピストは15日間の研修と卒業試験を経て現場に立っていますので、初めての方もご安心ください。

 

あわせて読みたい:【腰が重い・だるい方へ】強く揉まなくても奥まで届く!痛くないタイ古式マッサージの秘密

 

※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。安静にしていても痛みが軽くならない場合、発熱している場合、下肢のしびれや力の入りにくさがある場合。こうしたときは、整形外科などの医療機関にご相談ください。

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