タイ古式マッサージ

スマホ首・ストレートネックで「首のマッサージはだめ」と言われる理由。国の通知と学会の資料で確かめました

「ストレートネックですね」と言われた。スマホ首だと書かれていた。当店ではそういうお話を伺います。

 

そして調べていくと、別のことが書かれています。首のマッサージはだめだ、という見出しです。実際に、そう書いている記事がいくつもあります。

 

施術を提供する側としては、触れにくい話です。ただ、お客様が気にされていることを飛ばして書いた記事は、読む意味を失います。

 

この記事では、その指摘が何を根拠にしているのかを、国の通知と学会の資料に当たって確かめます。その上で、当店がどうしているかをお伝えします。

まず、ストレートネックは学会の病名の一覧にありません

話の出発点を確かめます。

 

日本整形外科学会の「症状・病気をしらべる」には、体の部位ごとに病名の一覧があります。そのうち「頚椎(くび)の症状」に並んでいるのは、次の14項目です。

 

学会の「頚椎(くび)の症状」に並んでいる14項目
頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症
後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症、斜頚、外傷性頚部症候群
頚肋、腕神経叢損傷、胸郭出口症候群
側弯症、脊髄腫瘍、転移性脊椎腫瘍
脊髄損傷、脊椎手術後のしびれ

 

 

後縦靱帯骨化症と黄色靱帯骨化症は、学会の一覧で1つの項目にまとめられています。ストレートネックとスマホ首は、この14項目のどこにも出てきません。

 

学会のサイト全体を検索しても、この2つの言葉は出てきませんでした。学会が項目を立てて解説している言葉とは、扱いが違います。

では、何を指している言葉なのか

一般には、首の骨の並び方を指して使われています。首の骨は、横から見るとゆるやかに前へカーブしています。このカーブが減って、まっすぐに近づいた状態です。

 

ここで大事なのは、学会が病気の項目として扱っていない、状態の名前だという点です。この区別が、あとの話にずっと関わってきます。

 

そして、もう1つ押さえておきたいことがあります。学会の頚椎症性脊髄症の解説に、こう書かれています。

 

中年以降では、レントゲンでの頚椎症性変化はほとんどの人に見られる。磁気共鳴画像での脊髄の圧迫も、症状がない場合でも見られる。

 

続けて「検査所見だけで診断することはできません」とあります。画像に写った形だけでは決まらない、ということです。

「スマホの姿勢が首の痛みの原因」は、確かめられているのか

次に、原因の話を確かめます。

12か月追いかけた調査の結果

2025年に出た調査があります。首の痛みがない18歳から65歳の方457名を集め、1年後にどうなったかを見たものです。

 

最初に、スマホを操作しているときの首の曲がり角度を機器で測っています。立った姿勢と座った姿勢の両方です。

 

1年後、396名が追跡を終えました。その396名のうち、首の痛みを報告したのは40名、約10パーセントです。

 

結果はこうでした。スマホを使うときの首の角度は、その後の首の痛みの危険因子ではありませんでした。

 

一方で、危険因子として出てきたものが2つあります。睡眠の質の低さと、身体活動の不足です。

 

調べた要因 1年後の首の痛みとの関係
スマホを使うときの首の曲がり角度(立位) オッズ比1.0。信頼区間は0.97から1.04で、関係が見られなかった
スマホを使うときの首の曲がり角度(座位) オッズ比1.01。信頼区間は0.98から1.04で、関係が見られなかった
睡眠の質の低さ オッズ比1.76。信頼区間は1.17から2.63で、危険が高まっていた
身体活動の不足 オッズ比2.41。信頼区間は1.03から5.65で、危険が高まっていた(下の端は1.03で、関係がないことを示す1に近い)

 

 

オッズ比は、1が「関係がない」ことを示す値です。角度の2つは、ほぼ1でした。

 

この1本だけで決まる話として扱うのは早いです。ただ、時間の前後をそろえて追いかけた調査としては、重い結果です。

首が前に出ている程度と痛みの関係

一方で、関係があるという報告もあります。15本の研究を集めたまとめです。

 

そのうち10本が、首の痛みがある方とない方で、頭の前への出方を比べています。大人では、平均4.84度の差が出ていました。

 

ただし、この差の信頼区間は0.14度から9.54度でした。下の端が0.14度です。ほとんどゼロに接しています。

 

そして、青少年では差が消えました。平均はマイナス1.05度で、信頼区間はマイナス4.23度から2.12度でした。

 

まとめの著者は、年齢が交絡因子として重要な役割を果たしたと書いています。年齢の影響を分けて考える必要がある、ということです。

 

さらに、集まった15本はすべて横断研究でした。ある一時点で測った研究です。どちらが先かを決めるには、別の設計の研究が必要になります。

運動で角度は変わる。ただし

もう1本、まとめの研究があります。頭が前に出ている方への運動を調べた、7本の無作為化試験、627名分です。

 

この研究は、角度を2種類測っています。首の付け根から見た頭の位置の角度と、頭そのものの傾きの角度です。

 

運動は、1つ目の頭の位置の角度を大きく変えられました。強い根拠があるという評価です。痛みが改善しうることには、中等度の根拠があるとされました。

 

その一方で、2つ目の頭そのものの傾きは変わりませんでした。そして著者は、こう書いています。

 

頭が前に出ていることと筋骨格の痛みの関係、そして運動の後に両方が改善することの正確な性質は、まだ確立されていない。

 

角度は変えられる。痛みも改善する。ただ、その2つがどうつながっているかは分かっていない、という書き方です。

 

あわせて読みたい:猫背・巻き肩は「呼吸」で変わる。自力では届かない深層筋を「テコの原理」で開く、タイ古式マッサージの姿勢改善術

「首のマッサージはだめ」は、何を根拠にしているのか

ここが、この記事の中心です。結論から書きます。

 

国の通知が名指しで禁止する必要があるとしているのは、カイロプラクティック療法の中の、首への特定の手技です。首に触れる施術の全部を指すものとは、範囲が違います。ただし同じ通知では、ほかの施術も、人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象とされています。名指しされていないから安全、という話ではありません。

国の通知が名指ししているのは、カイロプラクティックの特定の手技です

根拠は、平成3年6月28日の医事第58号という通知です。厚生省健康政策局医事課長から、各都道府県の衛生担当部局長あてに出されたものです。

 

その中の、いわゆるカイロプラクティック療法について定めた部分に、「一部の危険な手技の禁止」という項目があります。こう書かれています。

 

とりわけ頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きい。そのため、こうした危険の高い行為は禁止する必要があること。

 

名前が挙がっているのは、首を急に回してそらせる操作です。首を急に回してそらせ、骨を鳴らすような操作がこれに当たります。

 

オイルで触れること、筋肉をゆるめること、首を支えてゆっくり動かすこと。これらは、この項目で名前の挙がった手技の外にあります。

 

ですので「首のマッサージはだめ」という言い方は、この項目の読み方としては広すぎます。一方で同じ通知には、届出のない医業類似行為について、医学的観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止処罰の対象になる、とも書かれています。名指しされた手技の外にあることは、安全だという意味ではありません。

カイロプラクティック療法について並ぶ4つの項目

この通知の、カイロプラクティック療法について定めた部分には、4つの項目が並んでいます。危険な手技の禁止は、そのうちの2番目です。4つとも並べます。1番目は長いので、2行に分けました。

 

通知の項目 書かれていること
禁忌対象疾患の認識 対象とすることが適当でない疾患として、腫瘍性、出血性、感染性の疾患、リウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患などが挙げられている
禁忌対象疾患の認識(続き) 椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側弯症、二分脊椎症、脊椎すべり症と明確な診断がなされているものも、対象とすることは適当ではない
一部の危険な手技の禁止 頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法は、禁止する必要がある
適切な医療受療の遅延防止 施術によっても症状が増悪する場合はもとより、症状が軽減、消失しない場合には、潜在的に器質的疾患を有している可能性があるので、施術を中止して速やかに医療機関において精査を受けること
誇大広告の規制 医学的有効性をうたった広告は、法律に基づく規制の対象となる

 

 

「適切な医療受療の遅延防止」の行に注目してください。症状が軽くならない場合は、施術を中止して医療機関で調べてもらうようにと書かれています。

 

通い続けることではなく、やめて受診することを求めています。このあとの受診の話は、ここを根拠にしています。

 

なお、この通知には、当時の研究会の報告についても触れられています。その報告は、医学的効果についての科学的評価は未だ定まっていないという認識を示していました。

事故の情報はどのくらいあるのか

次に、実際に寄せられている事故の情報を見ます。消費者庁が平成29年5月26日に出した資料です。

 

法的な資格制度がない医業類似行為の手技による施術で発生した事故の情報が、1,483件寄せられています。平成21年9月1日から平成29年3月末までの登録分です。

 

そのうち、治療期間が1か月以上となる事故が240件でした。全体の約16パーセントです。

 

症状の内訳でもっとも件数が多いのは、神経・脊髄の損傷で290件でした。手技の内容別では、次のようになっています。

 

手技の内容 件数 うち治療期間が1か月以上
整体 467件 80件
リラクゼーションマッサージ 251件 36件
カイロプラクティック 221件 45件
リンパ・オイル・アロママッサージ 90件 14件
骨盤・小顔矯正 72件 3件
リフレクソロジーなど足の施術 59件 2件
その他・不明 323件 60件

 

 

この数字には、限定がついています。資料の注に、事実関係や因果関係が確認されていない事例を含むと書かれています。

 

そのうえで、1か月以上となった割合には差があります。資料は、整体とカイロプラクティックでこの割合が高いと書いてあります。

 

表から計算すると、カイロプラクティックが約20パーセント、整体が約17パーセントです。全体の約16パーセントを上回っています。

 

当店のようなリラクゼーションサロンの施術に当たる分類も見ておきます。注意喚起での分類名「リラクゼーションマッサージ」は約14パーセント、「リンパ・オイル・アロママッサージ」は約16パーセントでした。報告は、当店のような施術に当たる分類にもあります。

 

性別では、事故全体で女性が約8割を占めます。年齢は30歳代から50歳代までが多くなっています。

 

この並びは、当店にお越しになる方の層とほぼ重なります。どの手技で何件という内訳まで載せたのは、そのためです。

 

名指しされた手技の外にあることと、事故が起きないことは別の話です。当店が骨を鳴らすことを目的とした急な操作を行わないのは、この通知と数字を踏まえた方針です。

無作為化試験をまとめた報告では

では、通知が名前を挙げた種類の手技について、海外の試験では何が報告されているか。こちらも並べておきます。

 

海外では、関節を手で操作する手技をマニピュレーションと呼びます。スラスト法はその1つです。

 

2024年に出たまとめの研究があります。首へのマニピュレーションを行った無作為化試験のうち、有害事象が報告されている14本を集めています。

 

結果として、マニピュレーションの群と対照の群で、有害事象の発生率に統計的な差は出ませんでした。報告された有害事象はすべて軽いものに分類され、重いものや中等度のものはありませんでした。

 

ただし、この著者は前提も書いています。動脈の解離に続く脳卒中のような重い有害事象との関連を示す研究は、主に症例報告や症例対照研究である、という指摘です。

 

そして、それらは発生率を調べるための設計ではないため、因果関係を示すものではないと書かれています。

 

首へのマニピュレーションについての別のまとめ、51試験2,920名分の報告も見ました。そこでは、まれではあるが重い有害事象の危険が存在するため、さらに質の高い研究が必要だと結論されています。

 

首へのマニピュレーションについて整理すると、こうなります。試験の中で数えると重い事故は出ていない。ただ、まれな事故を数えるには試験の規模が足りない。これが現在の状態です。

マッサージと運動を比べた試験では、運動のほうが良かった

ここも、当店にとって都合の悪い話です。省かずに書きます。

 

慢性的な首の痛みがある方41名を2つの群に分けた試験があります。4週間、週に5回行いました。

 

群 人数 内容
運動の群 21名 首と肩甲骨に向けた抵抗運動
マッサージの群 20名 僧帽筋へのマッサージ

 

 

結果は2段階で見る必要があります。

 

まず、群の中での変化です。痛みの点数、首の動く範囲、筋の張りと硬さ、障害の程度、生活の質。両方の群で、いずれも意味のある改善が出ています。

 

次に、群と群の比較です。痛み、首の動く範囲のうち回す動き、筋の張りと硬さ、障害の程度、生活の質で、運動の群のほうが良い結果でした。

 

つまり、マッサージでも改善はしています。ただ、比べると運動のほうが成績が上だったということです。

 

この試験は41名で、追跡の期間も4週間でした。著者自身が、もっと長い追跡を含む包括的な研究が必要だと書いています。

それでも当店が施術をご案内する理由

ここまでの材料を踏まえて、当店の立ち位置を書きます。

 

1つ目は、入口の違いです。運動の成績が上だったとしても、続かなければ結果にはつながりにくいです。首と肩のまわりが固まっている状態では、動かすこと自体がつらい方がおられます。

 

2つ目は、当店が目標を置く場所です。角度を変えることや病気を治すことは、当店の目標の外にあります。力を抜いたまま首と肩のまわりが動く時間をつくることが、当店の仕事です。

 

3つ目は、先の調査で出てきた2つの要因です。睡眠の質の低さと、身体活動の不足でした。

 

身体活動の側には、ご自分で動かす形のご提案で関わります。睡眠の側は、施術が睡眠の質を上げるという根拠を当店は確認できていません。お約束の外に置いています。

 

そして、お伝えしておくことがあります。当店の施術で首の骨の並び方が変わるという説明は、当店の案内から外しています。

 

あわせて読みたい:【徹底比較】ストレッチ専門店とタイ古式マッサージの違い|腰や肩の疲れに効くのはどっち?

受診を先にお願いする状態

首の症状には、施術より先に受診をお願いしたいものがあります。学会の解説から、該当するところを拾って並べます。

 

こういう症状があるとき 学会の解説で挙げられている病名
肩から腕にかけての痛み。腕や手指のしびれ。首を後ろへそらせると痛みが強くなる 頚椎症性神経根症
上を見ることや、うがいをすることが不自由になった 頚椎症性神経根症
腕の力が入りにくい。感覚が鈍い 頚椎症性神経根症
ボタンのはめ外し、箸の使用、字を書くことが不器用になった 頚椎症性脊髄症
歩行で脚がもつれる感じがある。階段で手すりを持つようになった 頚椎症性脊髄症
手足のしびれが出てきた 頚椎症性脊髄症

 

 

この表は、見分けるためのものというより、受診の目安としてご覧ください。

腕や手に出ているとき

頚椎症性神経根症について、学会の解説を要約します。中年から高齢の方で、肩から腕の痛みが生じます。

 

腕や手指のしびれが出ることも多く、痛みの程度は軽いものから耐えられないものまで幅があります。

 

特徴として挙げられているのが、首を後ろへそらせると痛みが強くなる点です。そのため、上方を見ることやうがいをすることが不自由になります。

 

原因は、加齢による変化で、脊髄から腕へ向かう神経の根が圧迫されたり刺激されたりすることです。

 

見落としやすいことが1つ書かれています。遠近両用の眼鏡で画面を見るとき、首をそらせる姿勢になることも原因となることがある、という記述です。

 

うつむく姿勢だけが問題にされがちですが、そらせる姿勢も挙げられています。

 

腕や手のしびれがある場合は、当店での施術は見送らせていただきます。整形外科での診察を先にお願いします。

手先と足元に出ているとき

頚椎症性脊髄症のほうは、症状の出かたが違います。手先の細かい動きと、歩き方に出ます。

 

ボタンのはめ外し、箸の使用、字を書くこと。これらが不器用になります。歩行で脚がもつれる感じや、階段で手すりを持つようになることも挙げられています。

 

学会の解説では、日本人は脊柱管の大きさが欧米人に比較して小さく、この症状が生じやすいと書かれています。

 

そして、注意すべき記述があります。転倒などの軽微な外傷で、四肢の麻痺になる可能性が存在するというものです。

 

この症状に当てはまる場合、当店での施術は見送らせていただきます。整形外科での診察を先にお願いします。

朝起きて痛い場合

朝起きたときに首が痛む場合は、別の扱いになります。学会には「寝違え」の解説があります。

 

そこでは、何が起こって痛みが出ているかについては、検査や画像でとらえられるような変化がないのが一般的だと書かれています。

 

原因として考えられているものは、いくつか挙げられています。ただ、それが正確な原因であるという証拠はない、という書き方です。

 

挙げられているものの中に、同じ姿勢の持続があります。パソコンや事務作業が長時間に及ぶと、頭を一定の位置に保持するために首の筋肉に負担が生じる、という説明です。

 

そして学会は、寝違えを「外傷ではなく、軽い病気」と位置づけています。起床時に痛くなり、数時間から数日で改善していくようなら、徐々に首を動かしていくことで治っていくのが一般的だとあります。

 

マッサージについても、学会が直接触れています。マッサージが有効な場合もあるかもしれないが、余計に痛くなる場合には良くない、という記述です。

 

痛みを我慢してストレッチするのは逆効果の場合がある、とも書かれています。当店が痛みを我慢していただかないのは、この考え方と同じです。

 

そして、痛みが治らない場合には整形外科を受診して調べてもらう必要があると結ばれています。

「何日で治りますか」への答え

スマホ首について、よく聞かれる質問があります。何日で治るのか、です。

 

正直に申し上げます。スマホ首という名前の状態について、治るまでの日数を示した根拠は見つかりませんでした。

 

治るまでの日数を追った研究も、当店が調べた範囲では見つけられませんでした。日数を書いている記事を当店は見つけましたが、根拠までたどれませんでした。

 

そのかわり、学会が日数に触れている記述を2つお伝えします。

 

状態 学会の解説に書かれている経過
寝違え 起床時に痛くなり、数時間から数日で痛みが改善していくようなら、徐々に首を動かしていくことで治っていくのが一般的
頚椎症性神経根症 基本的には自然治癒する疾患。治るまでには数か月以上かかることも少なくなく、激痛の時期が終われば気長に治療する

 

 

幅がまったく違います。そして、どちらにも当てはまらない場合もあります。日数の目安より先に、どの状態なのかを医療機関で分けていただくほうが早いです。

 

当店で施術を受けたあとの変化についても、日数はお約束の外に置いています。受けた直後の軽さが何週間続くかについては、示せる材料が手元にない状態です。

当店がしていることと、していないこと

ここまでの内容を踏まえて、当店の扱いをまとめます。それぞれに理由を添えます。

 

項目 当店の扱い その理由
首を急に回してそらせる操作 行いません 平成3年の通知で、カイロプラクティック療法について、禁止する必要があるとされている手技です
骨を鳴らすことを目的とした急な操作 行いません 同じ理由です
首のまわりに触れること 行います 通知で名前が挙がっている手技とは別のものです。危害を及ぼすおそれのある強い操作はしません
首の骨の並び方を変えるという説明 しません 施術で並び方が変わるという根拠を確認できていません
診断されている疾患がある場合 医療機関への確認を先にお願いします 通知に、対象とすることが適当でない疾患の一覧があります
症状が軽くならない場合 通い続けることをお勧めしません 通知に、施術を中止して医療機関で精査を受けることと書かれています
ご自分で動かす形のご提案 行います 運動のほうが成績が上だった試験があります

 

 

当店のメニューは、タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つです。

 

タイ古式マッサージは、服を着たまま受けていただく形です。首のまわりについては、頭を支えながらゆっくり動かす範囲で触れていきます。

 

バリニーズアロマは、オイルを使って面で触れていく形です。首から肩にかけての力が抜けにくい方は、こちらをお選びになることもあります。

 

なお、当店の施術は、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師のような国家資格にもとづく施術とは区分が異なります。治療を目的とした施術は行っておりません。

ご予約のときにお伝えいただきたいこと

首を後ろへそらせると痛みが強くなる場合は、必ずお聞かせください。

 

腕や手のしびれがある、手先が不器用になった、歩きにくくなったという変化があるときは、施術より受診が先になります。

 

通院されている場合や、お薬を処方されている場合もお伝えください。首の骨について診断名を言われている場合は、その名前をそのままお聞かせいただけると助かります。

 

あわせて読みたい:肩を揉んでもスッキリしない?タイ古式マッサージが「足」と「腰」から頑固なハリをほぐす理由【物理学的アプローチ】

採っていない説明

この分野には、業界の中だけで通っている説明があります。当店が採っていないものを挙げます。

 

1つ目は、首を鳴らすと位置が元に戻るという説明です。骨を鳴らすことを目的とした操作は、当店では行っておりません。

 

2つ目は、施術の翌日の痛みを「体が良くなる途中の反応」と呼ぶ説明です。当店はその呼び方を使わず、体の反応としてそのままお伝えします。

 

3つ目は、何回通えば変わるという回数の案内です。何回で変わるという根拠を確かめられていないため、回数はお約束していません。

 

首の骨の並び方が施術で整うという説明も、先の表のとおり採っていません。

ご自分でできること

ここで、資料に手がかりがある範囲で、ご自分でできることを挙げます。

 

できること 資料で確認できたこと
首と肩甲骨に向けた運動を続ける 41名の試験で、マッサージより成績が上だった。7本のまとめでも、痛みが改善しうるとされている
睡眠の質を上げる 457名を集めて1年追いかけた調査で、睡眠の質の低さが首の痛みの危険因子だった
体を動かす量を増やす 同じ調査で、身体活動の不足も危険因子だった
同じ姿勢を続けない 学会の寝違えの解説で、同じ姿勢の持続が首の筋肉の負担として挙げられている
そらせる姿勢にも気をつける 学会の神経根症の解説で、遠近両用の眼鏡で画面を見る姿勢が原因となることがあると書かれている
痛みを我慢してストレッチしない 学会の寝違えの解説で、逆効果の場合があると書かれている

 

 

睡眠と身体活動の2行は、危険因子として報告されたという段階です。整えれば防げると示した研究とは違います。それでも、整えておく価値はあると当店は考えます。

 

この表で、スマホの持ち方や角度が入っていないことにお気づきかもしれません。

 

先の調査で、角度は危険因子として出てきませんでした。ですので当店が第一にお勧めするのは、角度を直すことよりも睡眠と運動の側です。

 

そのうえで、持ち方を工夫して楽になる方はおられます。心地よいと感じる範囲で続けていただくのは結構です。

 

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よくあるご質問

ストレートネックと言われましたが、マッサージを受けてもよいですか?

お受けいただけます。ストレートネックは、学会が病気の項目として扱っていない、首の骨の並び方を指す言葉です。

 

ただし、腕や手のしびれがある場合、手先が不器用になった場合は、受診を先にお願いします。その間、当店での施術は見送らせていただきます。

スマホ首に「首のマッサージはだめ」と書かれていました。本当ですか?

国の通知が、カイロプラクティック療法について、禁止する必要があると名指ししているのは、頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法です。

 

首を急に回してそらせる操作のことで、首に触れる施術の全部を指す書き方とは意味が違います。ただし同じ通知では、ほかの施術も、人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象とされています。当店はこの操作を扱いの外に置いています。

スマホ首は何日で治りますか?

スマホ首という名前の状態について、日数を示した根拠は見つかりませんでした。治るまでの日数を追った研究も、見つけられませんでした。

 

学会の記述では、寝違えなら数時間から数日、頚椎症性神経根症なら数か月以上かかることも少なくないとされています。幅が大きく違います。

 

どちらにも当てはまらない場合もあります。まず、どの状態なのかを整形外科で分けていただくほうが早く進みます。

ストレートネックは、マッサージで治りますか?

首の骨の並び方が施術で変わるという根拠を、当店は持っておりません。ですので治るという案内はいたしません。

 

当店がご案内できるのは、力を抜いたまま首と肩のまわりが動く時間をつくることです。

スマホ首の改善には、マッサージより運動のほうがよいのでしょうか?

慢性的な首の痛みがある41名を比べた試験では、痛みや動く範囲などで運動の群のほうが良い結果でした。

 

ただし、マッサージの群でも群の中では改善が出ています。そして41名、4週間という規模です。

 

当店としては、運動を続けやすくする入口として施術をお使いいただくのが現実的だと考えています。

スマホ首で首を鳴らしてもらうと楽になりますか?

当店は、骨を鳴らすことを目的とした急な操作を行っておりません。楽になるかどうかについて、当店から申し上げられる材料は持ち合わせていません。

 

お伝えできるのは、安全の側の話です。首への急な回転伸展操作(スラスト法)は、国の通知で、カイロプラクティック療法について禁止する必要があるとされている手技です。当店が扱っていないのは、この記述を理由にしています。

スマホ首の施術で、首の骨のレントゲンは必要ですか?

画像の検査と診断は、どちらも当店の範囲の外にあります。

 

学会の解説では、中年以降はレントゲンでの変化がほとんどの人に見られ、検査所見だけで診断することはできないと書かれています。形だけで決まる話ではなく、症状と合わせて見るものです。

ストレートネックの施術を受けた翌日に、首の痛みが強くなることはありますか?

ありえます。学会も、寝違えの解説の中で、マッサージで余計に痛くなる場合があることに触れています。

 

当店は、翌日の痛みを「良くなる途中の反応」とは呼びません。翌日に痛みが強くなった場合は、当店にお知らせください。次回の圧と範囲を変えます。痛みが続く場合は、受診をお願いします。

スマホ首の施術は、タイ古式マッサージとバリニーズアロマのどちらを選べばよいですか?

どちらが優れているかを比べた材料を、当店は持ち合わせておりません。感覚でお選びいただくのが現実的です。

 

動かされる感覚が心地よい方はタイ古式マッサージ。静かに触れられるほうが落ち着く方はバリニーズアロマをご案内しています。

スマホ首の施術は、どのくらいの間隔で通えばよいですか?

間隔について、根拠のある目安を当店は持ち合わせておりません。

 

そのうえで、国の通知に書かれていることをお伝えします。施術によっても症状が軽減、消失しない場合は、施術を中止して医療機関で精査を受けるようにとあります。

 

通い続けて変わらないなら、受診に切り替えてください。

まとめ

スマホ首とストレートネックについて、確かめられたことを整理します。

 

この2つは、状態を指す言葉です。日本整形外科学会の「頚椎(くび)の症状」に並ぶ14項目に、どちらも出てきませんでした。学会のサイト全体を検索しても出てきませんでした。

 

学会の解説では、中年以降はレントゲンでの変化がほとんどの人に見られ、検査所見だけで診断することはできないと書かれています。

 

スマホを使うときの首の角度については、457名を集めて1年追いかけた調査で、首の痛みの危険因子ではありませんでした。危険因子として出てきたのは、睡眠の質の低さと身体活動の不足です。

 

首が前に出ている程度と痛みの関係については、大人で平均4.84度の差が報告されています。ただし信頼区間の下の端は0.14度で、青少年では差が出ていません。

 

「首のマッサージはだめ」という指摘の根拠は、平成3年の通知にあります。そこで、カイロプラクティック療法について名前が挙がっているのは、頚椎に対する急激な回転伸展操作を加えるスラスト法です。

 

首に触れる施術の全部を指す書き方とは、意味が違います。ただし同じ通知では、ほかの施術も、人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象とされています。首を急に回してそらせ、骨を鳴らすような操作が、名指しされた手技に当たります。当店は扱いの外に置いています。

 

同じ通知には、症状が軽減、消失しない場合は施術を中止して医療機関で精査を受けることとも書かれています。

 

マッサージと運動を比べた41名の試験では、運動の群のほうが成績が上でした。両方の群で改善は出ていますが、比較では差がついています。

 

日数については、寝違えなら数時間から数日、神経根症なら数か月以上かかることも少なくない、という学会の記述があります。スマホ首という名前での日数の根拠は見つかりませんでした。

 

当店にできるのは、力を抜いたまま首と肩のまわりが動く時間をつくることです。そして、ご自分で動かす形を一緒に決めることです。

 

首と肩のまわりの重さが毎日の標準になっているなら。一度そこから離れる時間を取ってみてください。

 

ラダシアのご予約はこちらから

 

タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化し、全店舗を完全個室でご用意しています。セラピストは15日間の研修と卒業試験を経て現場に立っていますので、初めての方もご安心ください。

 

※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。腕や手指のしびれがある場合、手先が不器用になった場合は、整形外科などの医療機関にご相談ください。

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