タイ古式マッサージ

首のこりから頭が重くなるのはなぜ?「揉んでもぶり返す」と言われる理由を研究から読み解く

肩から首にかけてが重く、そのまま後頭部まで広がってくる。夕方になると頭全体が鉢巻きで締めつけられたようになる。そういう訴えで来られる方は、年間を通していちばん多いかもしれません。

 

この状態について、医療機関の解説では「マッサージで一時は楽になっても、すぐぶり返します」と書かれていることがあります。施術する側としては耳が痛い指摘ですが、避けて通る話でもありません。

 

先にお伝えしておくと、この記事に「これをすれば治ります」という答えは出てきません。かわりに、どこまでが確かめられていて、どこからが分かっていないのかを、できるだけはっきり書きます。

 

この記事では、首のこりが頭の痛みにつながる仕組みを整理します。そのうえで、「ぶり返す」という指摘が何を根拠にしているのかを、実際の研究に当たって確かめます。そのうえで、当店が何をしていて、何をしていないのかをお伝えします。

首のこりが、頭の痛みとして感じられる仕組み

首と頭は、筋肉と神経でつながっています。そのつながり方に、この話の入口があります。

 

先にお断りしておくと、この分野には「確かめられていること」と「そう説明されているだけのこと」が混ざっています。両方を分けて書きますので、読み分けていただければと思います。

後頭部へ走る神経が、筋肉のあいだを通っている

後頭部の感覚を担う神経は、首の上のほうから出て、後頭部へ向かって上がっていきます。このとき、首の後ろ側にある筋肉のあいだを通り抜ける経路をとります。

 

筋肉が硬く張った状態が続くと、この経路が狭くなり、神経が刺激を受けやすくなると考えられています。後頭部から頭のてっぺんにかけて重さが広がるのは、この仕組みで説明されることが多いです。

 

ただし、これは仮説の側に置かれている説明です。人の体の中で、筋肉の硬さが神経をどれだけ圧迫しているかを直接測ることは難しい。順番どおりに起きていると確かめた研究は、現時点で見当たらない状態です。

押した場所と、痛む場所が違うことがある

いっぽうで、確かめられていることもあります。筋肉のある一点を押したときに、そこから離れた場所に痛みを感じる現象です。

 

首の後ろ側や肩の上部の筋肉を押すと、後頭部やこめかみ、目の奥のあたりに響く。施術の現場では日常的に起きることで、研究でもくり返し確認されています。頭が痛いのに、押して反応するのは首だった、ということが実際に起こります。

 

もうひとつ、多くの研究で示されていることがあります。慢性的に締めつけられるタイプの頭痛がある方では、痛みを感じはじめる圧の強さが、そうでない方より低くなっています。同じ強さで押しても痛いと感じやすい状態になっている、ということです。

頭の重さを、首がずっと支えている

頭の重さは、成人でおよそ4キロから6キロあるとされます。ボウリングの球ほどの重さを、細い首が一日中支えている計算になります。

 

まっすぐ立っているときは、背骨の真上に頭が乗るので、支える力はそれほど要りません。ところが頭が前に出ると、てこの関係で首にかかる力が増していきます。角度がついたぶんだけ、後ろ側の筋肉が引っ張り返して支えることになります。

 

よく「前に15度傾けると12キロ、60度で27キロ」といった数字が紹介されます。これは計算モデルで求めた値で、生きた人の首で測ったものではありません。数字の大きさをそのまま受け取るより、「角度がつくほど負担が増える」という方向だけを押さえておくほうが実用的です。

どの筋肉が働きすぎているのか

首まわりで疲れやすい筋肉を、位置と役割で整理します。

 

 

場所 働き 疲れたときの出方
後頭部の付け根(深いところにある小さな筋肉) 頭の細かい傾きを調整し、目線を一定に保つ 後頭部の重さ、目の奥の疲れとして出ることが多い
首から肩にかけての表層の筋肉 肩を持ち上げる、頭を支える いわゆる肩こり。押すと後頭部に響くことがある
肩甲骨の内側から首へ向かう筋肉 肩甲骨を引き上げる 首を回したときのつっぱり。片側に出やすい
首の前から側面にかけての筋肉 頭を前へ倒す、横を向く 見落とされやすい。前かがみが長い方に多い

 

 

訴えとして出るのは後ろ側なのですが、実際に縮んでいるのは前側、ということがよくあります。頭を前へ突き出した姿勢が続くと、前側の筋肉が短くなり、後ろ側はそれに引っ張られて伸ばされながら支えることになるからです。

 

当店で首に触れるとき、後ろ側だけでなく前から側面にも手を入れるのは、この理由によります。ただし前側は太い血管や神経が通る場所ですので、強い圧はかけません。

 

ご自分でケアされる場合も同じです。首の前側や側面を強く押すのは避けてください。触れるのであれば、手のひら全体をあてて温める程度にとどめるのが安全です。「ここが硬い」と感じる場所ほど強く押したくなりますが、首に関しては例外だとお考えください。

 

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首の硬さに、目と顎が関わっていることがある

首だけを見ていると行き詰まることがあります。当店でよくあるのが、目と顎です。

目を使いすぎた日の首

秋から冬にかけては、日が短くなるぶん画面を見る時間も増えがちです。夕方以降の作業が長くなる方は、この時期に首の訴えが増えます。

 

画面を見続けた日は、後頭部の付け根が硬くなる方が多いです。先ほどの表に挙げた、頭の細かい傾きを調整する筋肉のあたりです。この筋肉は、目線を一定に保つために働き続けます。目を動かさずに一点を見続ければ、その状態で固定されることになります。

 

「目が疲れた」という感覚と、「後頭部が重い」という感覚が、同じ日に来る。これは、この筋肉が両方に関わっているためだと考えられています。

食いしばっている時間

もうひとつが顎です。集中しているとき、緊張しているとき、無意識に噛みしめている方は少なくありません。顎を動かす筋肉は、こめかみから頬、そして首の側面につながっていきます。

 

朝起きたときに顎がだるい、歯を食いしばった跡が頬の内側にある。こうした心当たりがある方は、首の硬さの一部がここから来ている可能性があります。当店では、こめかみと顎のまわりにも触れていきますが、強い圧はかけません。歯の噛み合わせに関わることは、歯科の領域です。

 

日中の食いしばりは、気づいたときに上下の歯を離す、という習慣で減らせる方が多いです。当店では、気づいたときに上下の歯を離してみてください、とお伝えしています。パソコンの端に付箋を貼って、目に入ったら口の力を抜く。それだけでも、夕方の首の重さが変わったとおっしゃる方がいます。

「揉んでも、すぐぶり返す」という指摘を、研究で確かめる

この指摘の根拠になりそうな研究を、原典に当たって確かめました。結論から言うと、揉むことだけで終わらせた場合に、効果が長く続くと言える材料は見つかりませんでした。

効果が確認された研究

慢性的に締めつけられるタイプの頭痛がある82人を対象にした比較試験があります。首の関節を動かす手技に加えて、姿勢の指導と、首の深いところにある筋肉を働かせる運動を組み合わせた群があります。これを、かかりつけ医による通常の対応を受けた群と比べました。

 

結果は、8週の時点で、頭痛の日数の差が平均6.4日つきました。そして26週、つまり約半年後の時点でも、差はついたままでした。

 

ここで見落としたくないのは、比べられたのが「手技だけ」ではないという点です。姿勢の指導と、自分で筋肉を働かせる運動がセットになっています。

 

もうひとつ、この研究で使われたのは首の関節を動かしていく手技で、当店の施術とは別のものです。結果をそのまま当店に当てはめることはできません。この記事で引く意味があるのは、施術だけで終わらせず、姿勢の指導と運動を組み合わせた形で差が出た、という部分です。ただし、手技だけの群は置かれていないので、どの要素が効いたのかまでは分かりません。

差が出なかった研究

同じ種類の頭痛がある56人を、3群に分けた試験があります。こりの強い部分に狙いを定めたマッサージ、偽の治療(電源を入れない装置を当てる)、順番待ちの3つです。6週間後、頭痛の回数はマッサージの群でも偽の治療の群でも減りましたが、両群のあいだに差はありませんでした。

 

ただし、この試験には続きがあります。「よくなったと感じたか」を本人に尋ねた項目では、マッサージの群のほうが、偽の治療を受けた群より高く出ました。押されて痛いと感じるまでの強さも、マッサージの群だけ上がっていました。

 

記録された回数では差がつかず、本人の実感と体の反応では差がついた。研究チームは「このタイプの頭痛は、見せかけの治療にもよく反応する」と結論づけています。

なぜ「偽の治療」と比べる必要があるのか

施術を受けたあとに楽になったとしても、それが施術によるものかどうかは、それだけでは分かりません。時間が経って自然に引いた可能性もありますし、「今日はケアを受けた」という安心感が効いている可能性もあります。この2つを切り分けるために、見た目は同じで中身のない処置(偽の治療)を受ける群が置かれます。

 

ですから「偽の治療と差がなかった」という結果は、「何も起きなかった」という意味ではありません。偽の治療を受けた群でも、頭痛の回数は減っています。減った分のうち、手技そのものによる上乗せがどれだけあったかが確かめられなかった、という読み方になります。

タイ古式マッサージを調べた研究

タイ古式マッサージについても、比較試験があります。タイで行われたもので、当店の施術そのものを調べたものではありません。慢性的な頭痛のある72人を、3週間で9回の施術を受ける群と、偽の治療を受ける群に分けたものです。

 

施術を受けた群では、痛みを感じはじめる圧の強さが、偽の治療の群より明らかに上がりました。同じ強さで押されても、痛いと感じにくくなったということです。ただし、頭痛の強さそのものは両群とも下がり、群のあいだに差はありませんでした。

3つを並べて読むと

 

研究 人数 比べた相手 結果
手技と姿勢の指導と運動を組み合わせる 82人 かかりつけ医の通常の対応 8週・26週とも頭痛の日数の差がはっきり出た
こりの部分へのマッサージ 56人 偽の治療(ほかに順番待ちの群あり) 頭痛の回数は差なし。本人の実感と圧の感じ方では差あり
タイ古式マッサージ 72人 偽の治療 圧の感じ方は改善。頭痛の強さは差なし

 

 

比べた相手が違うことに注目してください。「通常の対応」と比べると差が出て、「偽の治療」と比べると、頭痛の回数や強さの差は消えます(本人の実感と圧の感じ方には差が残ります)。また、この記事で紹介する中で、半年後の時点で差を確かめた結果があるのは、手技に姿勢の指導と運動を組み合わせた研究だけです。くり返しになりますが、その手技は当店が行うものとは別です。

 

つまり「揉んでもぶり返す」という指摘を、研究で打ち消すことはできません。揉むことだけで終わらせた場合に、効果が長く続くと言える材料がないからです。当店としては、そこを隠さずにお伝えしたうえで、続けるための形を一緒に考えます。

デスクワークの合間に、できること

多くの方は、来られても数週間に一度です。残りの時間をどう過ごすかで、首の状態は変わります。当店がお伝えしているのは、次の3つです。

 

 

いつ すること ねらい
30分から1時間に一度 立ち上がって、首をゆっくり回す。画面から目を離して遠くを見る 筋肉が縮みきる時間を切る。目の側も休ませる
昼休みと夕方 肩を大きく回す。耳と肩を離すように、肩を下げて5秒 肩をすくめた状態が固定されるのを防ぐ
入浴時 肩まで湯に浸かり、首の後ろに手を当てて温める 冷えて縮む方向に働いた筋肉を、一度戻す

 

 

どれも、思い出したときにやる程度で構いません。続かない習慣を増やすより、1日に数回でも姿勢を変えるほうが効きます。

 

首を回すときは、勢いをつけないでください。大きく速く回すより、ゆっくり半周ずつ動かすほうが安全です。痛みが走る角度があれば、そこは通らずに動かしてください。

 

それから、これはよく申し上げるのですが、正しい姿勢を保とうと力むのは逆効果になりやすいです。胸を張って顎を引いて、という形を意識し続けると、その姿勢を保つために別の筋肉が働き続けます。姿勢の形より、同じ形でいる時間の長さのほうが効いてきます。

首に強い操作を加えることの危険

首は、体の中でも慎重に扱うべき場所です。

 

厚生省(現・厚生労働省)が1991年に出した通知には、カイロプラクティック療法について書かれた項目があります。徒手による調整で症状が悪化しうる状態を挙げたうえで、頸椎に急激な回転伸展操作を加える「スラスト法」を、禁止する必要がある危険な手技として名指ししています。同じ通知では、ほかの施術も、人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止の対象になるとされています。

 

また消費者庁は2017年5月に、法的な資格制度がない手技による施術について注意を呼びかけています。整体やカイロプラクティック、リラクゼーションマッサージなどによる健康被害についての内容です。2009年から2017年3月末までに、1,483件が報告されました。神経や脊髄の損傷、骨折といった重いものも含まれています。

 

当店では、骨を鳴らすことを目的とした急な操作は行いません。首に触れるときは、圧を弱めから入り、動かす範囲も小さくとることが多いです。ご自分でされる場合も、首を強くひねる、無理に倒すといった動作は避けてください。

 

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温めるのと冷やすの、どちらがいいか

首が重いとき、温めるべきか冷やすべきかを聞かれます。

 

締めつけられるタイプの重さで、腫れや熱がないのであれば、温めて楽になる方が多いです。蒸しタオルを後頭部から首の後ろにあてる、湯船に肩まで浸かる、といった方法で構いません。冷えると筋肉は縮む方向に働くので、この時期は温めるほうが向いています。

 

冷やすほうが向くのは、ぶつけた、ひねったといった直後で、熱を持っている場合です。こりに対して冷やすことは、当店ではおすすめしていません。冷やして楽になるのであればそれで構いませんが、多くの方は温めたほうが緩みやすいようです。

 

ただし、脈を打つように痛むタイプの頭痛が出ている最中は、温めると悪化する方がいらっしゃいます。この場合は、暗くて静かな場所で横になるほうが楽だとされています。ご自分の頭痛がどちらのタイプか分からないときは、温めて様子を見るより先に、医療機関でご確認ください。

枕と、寝ているあいだの首

「枕が合っていないのでしょうか」と聞かれることがよくあります。

 

枕は、首まわりの相談の中でもいちばんよく出てくる話題です。買い替えたばかりという方も、何個も試したという方もいらっしゃいます。

 

寝ているあいだは、1日のうちでいちばん長く同じ姿勢を続ける時間です。ですから、枕の高さが首の形と合っていなければ、その時間ずっと無理がかかることになります。朝起きたときがいちばん首が硬い、という方は、ここを見直す価値があります。

 

とはいえ、「この高さが正解」という基準は、首の形も肩幅も寝る姿勢も人それぞれである以上、お伝えするのが難しいところです。当店でお伝えしているのは、次の3点です。

 

 

  • 仰向けで、あごが上がったり引けすぎたりしていないか。立っているときに近い角度が目安です
  • 横向きのとき、首が左右に傾いていないか。肩幅のぶんだけ高さが要ります
  • 朝の首の硬さが、日によって違うかどうか。毎朝同じように硬いなら寝具、日によって違うなら日中の過ごし方の影響が大きいと考えられます

 

 

枕を変えてしばらく様子を見る、という進め方で構いません。合わない枕を使い続けるより、試して比べるほうが早く見つかります。

施術より先に、受診していただきたいサイン

首のこりと頭の重さという訴えの中に、急ぐべき状態が混じっていることがあります。

 

 

  • 突然はじまった、経験したことのない激しい頭痛
  • 発熱を伴う、首を前に倒すと強く痛む
  • 手や指のしびれ、力が入らない、細かい作業がしにくくなった
  • 歩きにくい、足がもつれる
  • ろれつが回らない、言葉が出にくい、物が二重に見える
  • 頭を打った、転んだあとから始まった
  • 50歳を過ぎてから初めて経験するタイプの頭痛

 

 

ここに挙げたものは、いずれも「こりがひどい」という説明では片づかない状態です。心当たりがあれば、その日のうちに動いてください。

 

脈を打つような痛みそのものは、ここに挙げた急ぐべきサインとは別のものです。ただ、これまでと明らかに違う痛み方に変わったときは、一度確かめてください。

 

とくに、手のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさが出ている場合は、首の骨の中を通る神経に関わることがあります。この場合、首への施術はお断りし、整形外科か脳神経外科をおすすめしています。

 

「こりだと思っていたら違った」という例は、それほど多くはありません。ただ、当店で判断できる話でもありません。迷われたら、施術より先に医療機関でご相談ください。

こりが起こる背景には、時間の長さがある

厚生労働省の国民生活基礎調査は毎年行われ、数年に一度は大規模に実施されます。その大規模調査では、自覚症状の内訳が公表されています。2025年の調査では、男女とも腰痛がいちばん多くなっています。女性では次いで肩こりが第2位、男性では頻尿に続いて第3位に肩こりが入っています。

 

それだけ多くの方が日常的に抱えている訴えだということです。だからこそ相談しそびれやすい訴えでもあります。

 

そして、こりの背景にあるのはたいてい「時間」です。

 

同じ姿勢で過ごす時間が長いほど、首の後ろ側の筋肉は働き続けます。パソコンでも、スマートフォンでも、読書でも、頭が前に出た姿勢が続くことに変わりはありません。

 

対策として姿勢を正そうとされる方は多いのですが、どんな姿勢であれ、同じ形を続ければ同じ場所が疲れます。姿勢を直すより、姿勢を変える回数を増やすほうが現実的です。具体的には、この記事の前半の表に挙げたとおりです。

 

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「揉んでも変わらない」と感じている方へ

ここまで読んで、「自分の場合は揉んでも何も変わらない」と感じておられる方もいるかもしれません。当店でも、そういうご相談を受けることがあります。

 

「マッサージは自分には効かない体質だ」とおっしゃる方もいます。体質というより、条件が合っていないだけということが多いです。いくつか、考えられることがあります。

 

 

  • 触れている場所が合っていない。後ろ側だけを揉んでも、縮んでいるのが前側なら張りは戻ります
  • 圧が強すぎる。痛みを感じやすい状態の方に強い刺激を入れると、体は緊張で応えます。その場は効いた気がしても、翌日かえって重くなることがあります
  • こりが結果であって、原因ではない。噛みしめ、目の使い方、睡眠、気圧。首の硬さがそれらの結果として出ている場合、首だけを触っても変わりにくくなります
  • 首以外の場所で姿勢が決まっている。骨盤の傾きや背中の丸まりが土台にあると、首はその上で帳尻を合わせているだけ、ということがあります

 

 

当店で首から始めずに、肩甲骨まわりと背中を先に緩めることが多いのは、4つ目の理由からです。当店の経験では、首だけを緩めた日より戻りが遅いように感じています。ただし、これを比べた研究があるわけではありません。

当店でしていること、していないこと

首の重さでいらっしゃった方に、当店でよく取っている進め方です。セラピストやその日のご希望によって変わり、ご希望に合わせて調整いたします。

 

 

  • 首から始めないことが多いです。肩甲骨まわりと背中、脇の下をひととおり緩めてから首へ向かいます
  • 圧は弱めから入ることが多いです。痛みを感じやすい状態になっている方に強い刺激は向きません
  • 首の前側にも触れますが、強くは押しません。
  • 骨を鳴らすことを目的とした急な操作は行いません。これは当店の決まりです
  • 帰りに、続けやすい動きをひとつお伝えします。半年後まで差を確かめた研究は、施術だけでなく自分で動かすことをセットにしたものでした

 

 

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こりを「気のせい」にしないために

首の重さを訴えて医療機関に行っても、レントゲンで大きな異常が見つからないことがあります。そこで「異常なし」と言われ、行き場をなくしてしまう方がいます。

 

異常がないという結果は、悪い知らせではありません。急いで対応すべき病気が隠れていない、という確認が取れたということです。そのうえで、日々の重さは残ります。ここから先は、検査で写る話ではなく、使い方と時間の話になります。画像に写らないからといって、感じている重さが存在しないわけではありません。

 

当店でも、病院に行くほどか迷った、という声はよく伺います。痛みとしてはっきりしないぶん、相談していいものか分からない、ということのようです。

 

当店に来られる方の多くが、この段階にいらっしゃいます。病院に行くほどではない、でも毎日つらい。その状態を「気のせい」で片づけずに、緩める時間を確保する。サロンの役割は、そこにあると考えています。

 

いっぽうで、検査を受けずに何年も我慢されている方には、一度受診をおすすめしています。この記事の受診のサインに当てはまらなくても、長く続く訴えは一度確かめておくほうが安心です。

よくあるご質問

片側だけ首が凝るのはなぜですか?

左右で使い方が違うためであることが多いです。カバンをいつも同じ肩にかけている、画面が体の正面ではなく斜めにある。電話を片側の肩と耳で挟む、横向きで寝る側が決まっている。どれも、片側の筋肉だけが働き続ける形になります。ご自分では気づきにくいので、施術のときに「どちらがつらいか」をお聞きしています。片側だけに強いしびれや力の入りにくさがある場合は、そちらを先に医療機関で確かめてください。

首こりからくる頭痛は、マッサージで治りますか?

治るとはお伝えできない、というのが正直なところです。当店はリラクゼーションを目的としたサロンで、治療は別の領域の仕事にあたります。研究では、手技に姿勢の指導と運動を組み合わせた場合に頭痛の日数が減り、半年後まで差が保たれていました。いっぽう、マッサージだけを偽の治療と比べた試験では、頭痛の回数に差が出ていません。

首こりによる頭痛は、どこをほぐせばいいですか?

訴えが出るのは後頭部から首の後ろですが、当店で時間をかけることが多いのは、肩甲骨まわりと背中、そして首の前から側面です。理由は本文の「どの筋肉が働きすぎているのか」に書きました。ご自分でされる場合は、後頭部の付け根を指で支える程度にとどめ、首を強くひねらないでください。

首をボキボキ鳴らしてもらうのは、危なくないですか?

当店では、骨を鳴らすことを目的とした急な操作は行っておりません。理由は本文の「首に強い操作を加えることの危険」に書いたとおりです。ご自分で鳴らすことも、習慣にはしないでください。

マッサージで首こりが楽になっても、すぐ戻るのはなぜですか?

こりをつくっている時間が変わっていないためです。施術で緩めても、翌日また同じ姿勢で同じ時間を過ごせば、同じ場所が働き続けます。研究でも、半年後まで差を確かめられたのは、手技に姿勢の指導と運動を組み合わせた試験です。緩めたあとに何をするかで、戻り方が変わります。

首こりの頭痛と、片頭痛はどう違いますか?

締めつけられるような重い痛みで、両側に出て、歩いても悪化しない。こういう痛み方は、首のこりと一緒に語られることが多いです。いっぽう、片側がズキズキと脈打ち、吐き気を伴い、歩くと悪化する痛み方もあり、その場合は対応の仕方が変わります。当店では、脈を打つような痛みが出ている最中は、頭と首への施術をお断りしています。どちらのタイプか分からないときも、まず医療機関でご確認ください。

デスクワークの合間に、首のために何をすればいいですか?

本文でお伝えした、30分から1時間に一度の立ち上がりがいちばん効きます。1分かかりません。正しい姿勢を保とうと力むと、それ自体が別の場所の緊張になってしまう方もいらっしゃいます。

首こりがひどいとき、温めてもいいですか?

本文の「温めるのと冷やすの、どちらがいいか」でお伝えしたとおりです。腫れや熱がなければ、温めて楽になる方が多いです。

首こりからくる頭痛に、市販の鎮痛薬を飲んでもいいですか?

薬については、薬剤師か医師にご相談ください。当店がお答えできる範囲を超えています。ひとつだけお伝えできるのは、鎮痛薬を飲む日が多いと感じているなら、その回数を医療機関で伝えてみてください、ということです。飲む回数自体が頭痛に関わる場合があると言われています。

首こりの施術は、どのくらいの間隔で受けるといいですか?

間隔の目安は、研究からは出ていないのが実情です。先ほどの試験は3週間で9回という設計でしたが、これは研究のための回数です。当店では、デスクワーク中心の方で2週間から3週間に1度のペースの方が多いです。間隔よりも、来られない期間に姿勢を変える回数を増やせるかどうかのほうが効いてきます。

まとめ

首のこりと頭の重さについて、分かっていることを並べます。

 

まず、仕組みの側から。首の後ろ側の筋肉が硬くなると、そのあいだを通る神経が刺激を受けやすくなると考えられています。ただしこれは仮説の側の説明です。確かめられているのは、筋肉の一点を押すと離れた場所に痛みが出ること。そして、慢性的な頭痛のある方は痛みを感じはじめる圧が低くなっていることです。

 

「マッサージでは一時的で、すぐぶり返す」という指摘については、原典を確かめました。マッサージだけを偽の治療と比べた試験では、頭痛の回数に差が出ていません。いっぽう、手技に姿勢の指導と首の運動を組み合わせた試験では、通常の対応と比べた頭痛の日数の差が、8週後も26週後も残っていました。揉むことだけで終わらせた場合に、効果が長く続くと言える材料はありません。

 

タイ古式マッサージは、受け手が服を着たまま脱力して受ける形をとります。首の後ろ側の深いところは、ご自分で押そうとすると押す側の腕に力が入り、緩みきらない場所です。他の人に委ねることで、力を抜いたまま触れてもらえます。

 

タイで行われたタイ古式マッサージの試験でも、押されて痛いと感じるまでの強さは変わりました。ただし、頭痛の強さそのものには差が出ていません。効くと言い切れる材料は、まだありません。

 

そして、首は体の中でもとくに慎重に扱うべき場所です。首への急な回転伸展操作(スラスト法)は、カイロプラクティック療法について書かれた国の通知で、禁止する必要がある危険な手技とされています。手のしびれや力の入りにくさ、歩きにくさが出ている場合は、施術ではなく受診してください。

 

ご自分でできることも、この記事にいくつか書きました。30分から1時間に一度立ち上がる、首を回すときは勢いをつけない、温めて楽なら温める。どれも小さなことですが、施術と施術のあいだを埋めるのは、こうした積み重ねのほうです。

 

首の重さは、毎日のことになるほど「こういうものだ」と思えてきます。ただ、半日でも軽い状態を味わうと、そこが基準になります。

 

当店ができるのは、緩める時間をつくることと、続けるための形を一緒に考えることです。後頭部の重さを毎日の標準だと思って過ごされているなら、一度そこから離れる時間を取ってみてください。

 

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タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化し、全店舗を完全個室でご用意しています。セラピストは15日間の研修と卒業試験を経て現場に立っていますので、初めての方もご安心ください。

 

※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。頭痛やしびれが続く場合や気になる症状がある場合は、整形外科や脳神経外科などの医療機関にご相談ください。

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