仕事で疲れた週末に、サウナで汗を流すとすっきりする。そう感じて、サウナに通っている方は多いと思います。
一方で、サウナの次の日にかえってだるい、という声もあります。「疲労回復に効く」と書く記事もあれば、疲れを感じにくくなるだけだと書く記事もあります。どちらを信じればよいか、迷う方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、サウナと疲れの関係について、当店が研究と公的な資料に当たって確かめたことをまとめました。サウナをすすめる記事でも、否定する記事でもありません。
先にお答えします。運動の後に、43度前後の赤外線のサウナに入ると、14時間後の筋肉痛の感じ方が軽かった、という小さな試験があります。ただ、人数は16人や10人ほどで、筋トレの後には差が見られなかった試験もあります。「サウナで疲れが取れる」と言い切れるだけの研究は、まだそろっていません。
また、サウナの間や直後に心拍数が上がり、出た後に血圧が下がっていたという研究もあります。疲れているときほど、体にかかる負担にも目を向けていただきたいと考えています。
この記事で確かめたのは、次のことです。
- サウナを控えていただきたいときと、入る前に確かめたいこと
- 長く続けている人を追った研究で、分かっていることと言えないこと
- 運動の後のサウナについて、試験で分かっていること
- 睡眠や「ととのう」、ヒートショックプロテインの説明が、どこまで確かめられているか
- サウナでかえって疲れるときと、人の手による施術についての研究
最初に、サウナに入る前に確かめていただきたいことからお伝えします。
サウナを控えていただきたいときと、入る前に確かめたいこと
最初に、体の負担についてお伝えします。疲れを取るつもりで入ったサウナで、体調を崩してしまっては意味がないからです。
サウナの中で、体に起きていること
2018年に発表されたフィンランドの研究では、102人に、73度のサウナに30分入ってもらいました。対象は、高血圧など、心臓や血管の病気につながる要因を1つ以上持つ方で、平均年齢は51.9歳です。
サウナの直後には、心拍数が1分間に65回から81回に上がっていました。上の血圧は137から130に、下の血圧は82から75に下がっていました。単位は、血圧計と同じ水銀柱ミリメートルです。上の血圧が下がった状態は、30分後まで続いていました。
この研究は、比べる組を置かない1回だけの実験です。それでも、サウナの直後に心拍数や血圧が変わっていたことは分かります。
入浴の事故についての、国の注意喚起
政府広報オンラインは、2025年11月の記事で、冬の入浴中の事故に注意を呼びかけています。厚生労働省の人口動態統計(2023年)では、浴槽の中で溺れて亡くなった65歳以上の方は6,541人でした。記事は、これを交通事故で亡くなった方の2,116人の、およそ3倍としています。
この数字は、家庭などの浴槽での事故で、サウナに限った数字ではありません。ただ、同じ記事が挙げる注意には、サウナを使うときにも当てはまるものがあります。
記事では、湯の温度は41度以下、つかる時間は10分までを目安にするよう勧めています。42度のお湯に10分つかると、体温が38度近くまで上がるとも書かれています。これはお風呂の目安で、サウナの温度や時間の目安ではありません。
同じ記事では、食後すぐや、お酒を飲んだ後、薬を飲んだ後の入浴は避けるよう呼びかけています。飲酒で一時的に血圧が下がるため、アルコールが抜けるまでは入浴しないように、とされています。体調の悪いときや、精神安定剤、睡眠薬などを飲んだ後も、入浴は避けるよう書かれています。
サウナに入る前に、確かめていただきたいこと
入浴についての国の注意喚起と、この記事でご紹介する研究をもとに、当店でサウナにも当てはめて並べました。サウナに入る前に、確かめていただきたい点です。
- お酒を飲んでいないか(飲んだ日は、アルコールが抜けるまで入らない)
- 食事のすぐ後ではないか
- 睡眠薬や精神安定剤などを飲んだ後ではないか
- 熱っぽい、だるさが強いなど、体調が悪くないか
- 心臓や血管、血圧の病気で通院していないか(通院中の方は、先に主治医に相談する)
- 妊娠中ではないか(妊娠中の方は、先に主治医に相談する)
- 男性で、お子さまを望んでいるか(気になる方は、医療機関で相談する)
通院中の方と妊娠中の方への「主治医に相談」は、当店からのお願いです。サウナの熱で心拍数や血圧が変わることを踏まえ、ふだんの体を知る医師に確かめていただくのが安心だと考えています。
総務省消防庁の救急車利用マニュアルは、すぐに119番に電話してほしい症状を挙げています。胸や背中の突然の激しい痛みや、急な息切れ、呼吸の苦しさも、その中に入っています。サウナの中や後でこうした症状が出たときも、休めば治ると思い込まず、119番に電話してください。
救急車を呼ぶか迷うときは、救急相談の窓口(#7119など)に相談できます。窓口の番号は、地域によって異なることがあります。
男性で、お子様を望んでいる方へ
2013年に発表されたイタリアの研究では、精子に異常のない男性10人に協力してもらいました。80〜90度のサウナに15分、週2回を3か月続けたところ、精子の数と動きが大きく落ちていました。
この変化は、サウナをやめて6か月後には元に戻っていました。研究は10人と小さく、精子に異常のある方は対象に入っていません。気になる方は、医療機関で相談してください。
長く続けている人を追った研究で、分かっていること
サウナと体の関わりを長く追った研究として、フィンランドの研究がよく知られています。ここでは、その研究で分かっていることと、言えないことを分けます。
研究の種類で、言えることが変わります
研究には、大きく分けて2つの種類があります。1つは、サウナに入る習慣を先に聞いておき、その後の病気や死亡を長く追う研究です。この記事では「習慣を追う研究」と呼びます。もう1つは、組を分けたり、同じ人に両方の条件を試してもらったりして、結果を比べる試験です。こちらは「比べる試験」と呼びます。
習慣を追う研究では、サウナと結果の間に関わりがあることは分かっても、サウナが原因かどうかは分かりません。比べる試験は原因に近づけますが、今回ご紹介する比べる試験は、どれも人数が少ないものでした。
このほか、比べる組を置かずに前と後を比べた実験や、アンケートの調査、たくさんの研究をまとめた報告もご紹介します。
週4〜7回入る人は、心臓の病気で亡くなる人が少なかった
2015年に発表された研究では、42〜60歳のフィンランドの男性2,315人を、20年あまり追いました。サウナに入る回数を最初に聞いておき、その後の死亡との関わりを調べています。
週1回の人と比べると、週4〜7回の人は、心臓の病気による突然死の起こりやすさが約0.4倍でした。週2〜3回の人は約0.8倍でしたが、はっきりした差とは言えない結果でした。
1回に入る時間で見ると、19分を超える人は、11分未満の人より突然死の起こりやすさが約0.5倍でした。ただし、すべての死亡で見ると、時間の長さとの関わりは見られていません。
2018年に発表された、同じくフィンランドで行われた別の研究では、男女1,688人を、15年ほど追っています。平均年齢は63歳で、半分ほどが女性です。週4〜7回の人は、週1回の人より、心臓や血管の病気で亡くなる確率が約0.2倍でした。週2〜3回では、はっきりした差は見られませんでした。
この研究から言えないこと
どちらも、サウナの習慣と、その後の死亡との関わりを調べた研究です。サウナに入ったから長生きした、と確かめたものではありません。
週に何度もサウナに通える人は、時間や体力にゆとりがあるのかもしれません。研究では、運動の量や暮らし向きなどを計算で差し引いていますが、それでも残る違いはありえます。
また、この研究が調べたのは死亡で、疲れではありません。「週4回入ると疲れが取れる」という意味には読めない点に、ご注意ください。
研究をまとめた報告が指摘していること
2018年に発表された報告は、くり返しサウナに入ったときの体への影響を調べた研究を集めたものです。40本の研究、合わせて3,855人分をまとめています。
このうち、くじで組を分けた試験は13本だけで、多くは40人に満たない小さな研究でした。多くの研究がよい結果を報告していますが、測ったものはばらばらです。
この報告がまとめた40本の中で、悪い影響を報告していたのは、精子をつくる働きが落ちたという10人の小さな研究だけでした。
報告は、質の高いデータがもっと必要だとしています。目的に合った回数や時間も、これから調べる必要があるとしています。何分、週何回がよいかは、まだ決まっていないということです。
運動の後のサウナで、疲れは取れるのか
ここからは、運動の後のサウナを調べた試験をご紹介します。前半の2つは、筋肉痛や跳ぶ力など、疲れに近いものを測った試験です。後半の2つは、走る力を調べた試験です。対象は、どれも体を鍛えている人が中心です。
筋トレの後のサウナで、14時間後の筋肉痛が軽かった試験
2023年に発表されたフィンランドの試験では、男性のバスケットボール選手16人が、2回の筋トレをしました。1回は筋トレの後に20分座って休み、もう1回は赤外線のサウナに20分入っています。
このサウナは、温度が43度前後の、赤外線で体を温める形です。一般的な高温のサウナとは条件が違います。
14時間後に測ると、サウナの後のほうが、その場で跳ぶ高さの落ち方が小さくなっていました。筋肉痛も軽く、回復したと感じる度合いも高かったとされています。この試験は、感じ方だけでなく、跳ぶ高さという体の力も測っていました。
一方で、サウナの間は心拍数が高く、自律神経の働きの目安とされる心拍のゆらぎは小さくなっていました。運動した日の夜の心拍数や心拍のゆらぎには、休んだときとの差は見られていません。
筋トレの後では、サウナの有無で差がなかった試験
2015年に発表されたフィンランドの試験では、運動の習慣がある健康な男性10人を調べました。筋トレや走る運動の後に、35〜50度の赤外線のサウナに30分入っています。
筋トレの後は、サウナに入った場合と入らなかった場合で、回復の途中のどの値にも差がありませんでした。走る運動の後は、30分後のジャンプの高さが、サウナに入ったほうがわずかに高くなっていました。
同じ「運動の後のサウナ」でも、筋トレの後と走った後で、結果が分かれたことになります。10人という小さな試験であることにも、ご注意ください。
走る力が伸びた試験は、疲れの研究とは別のもの
2007年に発表されたニュージーランドの試験では、男性のランナー6人が、練習の後に約90度のサウナに約31分入りました。これを3週間で12〜13回ほど続けています。
サウナを続けた後は、続けなかった時期と比べて、走り続けられる時間が32%長くなりました。限界まで走り続ける時間は、少しの力の差でも大きく伸びます。そのため、決まった距離を走るタイムに置き換えると、約1.9%の差にあたるとされています。血液の中の水分の量も、7.1%増えていました。
2021年に発表されたイギリスの試験では、ランナー26人(うち女性16人)に協力してもらいました。練習の後に、101〜108度のサウナに29分ほど入っています。週3回前後を3週間続けると、体が取り込める酸素の量の上限が5%高くなっていました。この試験には比べる組がなく、続ける前と後を比べています。
2つの試験が調べたのは、走る力や、暑さへの体の慣れがどう変わるかです。疲れが取れるかどうかを調べたものではありません。人数も6人と26人で、小さな試験です。
ここまでの研究を並べると
ここまでのサウナの研究のうち、主なものを表にまとめます。人数と、分かったこと、読むときの注意を並べました。
| 研究 | 対象 | 分かったこと | 読むときの注意 |
|---|---|---|---|
| サウナの回数と死亡(2015年) | 42〜60歳の男性2,315人 | 週4〜7回の人は、心臓の病気による突然死が少なかった | 関わりを調べた研究で、疲れは調べていない |
| サウナの回数と死亡(2018年) | 男女1,688人、平均63歳 | 週4〜7回の人は、心臓や血管の病気で亡くなる人が少なかった | 週2〜3回でははっきりした差がない |
| 研究のまとめ(2018年) | 40本の研究、3,855人 | 多くがよい結果を報告 | 小さな研究が多く、回数や時間の目安は決まっていない |
| 筋トレ後の赤外線サウナ(2023年) | 男性の選手16人 | 14時間後のジャンプの落ち方が小さく、筋肉痛が軽い | 43度前後の赤外線サウナ。サウナ中は心拍数が高い |
| 運動後の赤外線サウナ(2015年) | 男性10人 | 走った後はジャンプがわずかに高い | 筋トレの後は差がなかった |
| 練習後のサウナ(2007年) | 男性のランナー6人 | 走り続けられる時間が長くなった | 走る力の研究で、疲れの研究ではない |
| 練習後のサウナ(2021年) | ランナー26人(うち女性16人) | 体が取り込める酸素の量の上限が高くなった | 比べる組がなく、疲れの研究ではない |
| 1回のサウナと血圧(2018年) | 心臓や血管の病気につながる要因のある102人 | 直後に心拍数が上がり、血圧が下がった | 比べる組のない1回だけの実験 |
表のとおり、疲れに近いものを測った試験は、人数が少なく、結果も分かれています。サウナで疲れが取れるかどうかは、まだはっきりしない、というのが今の状況です。
睡眠や「ととのう」の説明は、どこまで確かめられているか
サウナの話には、「よく眠れる」「ととのう」「ヒートショックプロテインが増える」といった説明がよく出てきます。ここでは、それぞれが研究でどこまで確かめられているかを見ていきます。
よく眠れるか
2019年に発表された調査では、インターネットの質問票に、ふだんサウナに入っている482人が答えました。482人のうち83.5%が、サウナの後に睡眠によい変化があったと答えています。
ただし、答えたのは自分からサウナに通っている人で、サウナが好きな人が多いと考えられます。眠りを機器で測った研究でもありません。「よく眠れると感じる人が多い」とは言えても、「眠りの質が上がる」とまでは言えない結果です。
答えた人を、サウナに入る回数を、月5回未満、月5〜15回、月15回より多い、の3つの組に分けて比べています。体の調子についての点数は、3つの組のどれの間にも差は見られませんでした。月に5〜15回の組で、心の調子の点数がわずかに高かったとされています。
同じ調査では、サウナで起きた体の不調も尋ねています。記録された不調の93.1%は軽いもので、主にめまい、体の水分不足、頭痛でした。胸の痛みや目の刺激で入院が必要になった報告も、2件ありました。
「ととのう」とは何か
「ととのう」は、サウナと水風呂、休憩をくり返した後の、心地よい感覚を表す言葉として広まっています。ただ、この記事で当たった研究の中に、「ととのう」という感覚そのものを測ったものはありませんでした。
研究で分かっているのは、サウナの間や直後に心拍数が上がり、出た後に血圧が下がっていた、といった体の変化です。こうした変化が、心地よさとどう結びつくのかを確かめた研究も、この記事で当たった中には見つかりませんでした。
ヒートショックプロテイン、免疫、デトックス
サウナに入ると「ヒートショックプロテイン」という体のたんぱく質が増える、という説明をよく見かけます。免疫力が上がる、汗で疲労物質や有害なものが出る、という説明もあります。
この記事で当たった疲れの研究では、こうしたものは測られていませんでした。体の中で何かが増えることと、疲れが取れることは、分けて考えるのがよいと思います。研究の中身を示さずに言い切っている説明は、慎重に読んでいただければと思います。
よく見る説明と、研究で分かったことを並べると
ここまでに出てきた説明を、表にまとめます。真ん中の列は、この記事で当たった研究の範囲で分かったことです。
| よく見る説明 | この記事で当たった研究で分かったこと | 当店の受け止め方 |
|---|---|---|
| 疲れが取れる | 小さな試験で、筋肉痛が軽かった結果と、差がなかった結果がある | はっきりしない |
| よく眠れる | 通っている人の8割強が、よい変化があったと答えた調査がある | そう感じる人は多いが、眠りを測った研究ではない |
| 体に負担がかかる | サウナの間や直後に心拍数が上がり、後で血圧が下がっていた | 体調が悪い日や飲酒後は控える |
| ととのう | この感覚そのものを測った研究は見つからなかった | 心地よさの言葉として受け止める |
| ヒートショックプロテイン・免疫・デトックス | 疲れの研究では測られていなかった | 疲れが取れる理由としては、確かめられていない |
表の右の列は、研究をもとにした当店の受け止め方です。新しい研究が出れば、変わることもあります。
サウナで、かえって疲れるとき
サウナの後にだるい、次の日まで疲れが残る、という方もいらっしゃいます。次の日のだるさの原因を調べた研究は、この記事で当たった中には見つかりませんでした。ここで並べるのは、ここまでの研究と国の注意喚起から考えられることです。
体の水分が足りていないこと
サウナで起きた不調として、2019年の調査では、めまいや頭痛と並んで、体の水分不足が挙がっていました。サウナでは汗をかくため、入る前と後に水分をとっておくと安心です。
疲れている日の、心臓への負担
102人の研究では、サウナの直後に心拍数が上がっていました。運動の後の試験でも、サウナの間は心拍数が高くなっています。
体を休めるつもりでも、サウナの中では心臓が働いています。疲れが強い日や、寝不足の日は、時間を短くする、入る回数を減らすといった調節も考えてみてください。
お酒を飲んだ後や、食事のすぐ後
先ほどの国の注意喚起では、飲酒後や食後すぐの入浴は避けるよう呼びかけていました。お酒で一時的に血圧が下がり、高齢の方は食後に血圧が下がりすぎて気を失うことがある、とされています。
102人の研究でも、サウナの後に血圧が下がっていました。お酒による血圧の下がりと、サウナの後の血圧の下がりが重なると、負担が大きくなるおそれがあります。そのため、お酒を飲んだ日は、サウナは控えてください。
長い時間や、回数の重ねすぎ
研究をまとめた報告では、目的に合った回数や時間は、まだ決まっていないとされていました。疲れについて、長く入るほど、たくさん回数を重ねるほどよいと確かめた研究は、この記事で当たった中には見つかりませんでした。死亡との関わりを調べた研究で、時間や回数が多い人に心臓の病気の死亡が少なかったのとは、別の話です。
「3セット」のように決まった回数にこだわらず、その日の体調に合わせて、無理のないところで切り上げてください。めまいや気分の悪さを感じたら、すぐに出て休んでください。
疲れの原因から考えたい方には、運動の後の疲れのケアを、研究の結果の大きさで並べた記事もあります。
あわせて読みたい:ランニングの疲れが抜けないのはなぜ?走った後の脚に効くケアを、効果の大きさで並べ直す
人の手による施術の研究で、分かっていること
サウナと、人の手による施術を直接比べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。見つからなかったことは、研究がないという意味ではありません。ここでは、人の手による施術についての研究を、よい結果と差がなかった結果の、どちらもご紹介します。
疲れには差がなかった、という報告
2020年に発表された報告は、運動をする人への人の手による施術を調べた試験を集めたものです。29本の試験、合わせて1,012人分をまとめています。
その結果、筋力やジャンプ、短い距離を走る速さ、持久力、疲れについては、よくなるという根拠は見つかりませんでした。一方で、体の柔らかさと、運動の後の筋肉痛には、小さな改善が見られたとされています。
筋肉痛と疲れの感じ方に、よい結果だったという報告
2018年に発表された別の報告では、運動の後の回復の方法を調べた99本の研究をまとめています。人の手による施術のほか、冷やす方法や、締め付ける衣類なども含まれています。
この報告では、運動の後の筋肉痛と疲れの感じ方について、人の手による施術がいちばんよい結果だったとされています。
2つの報告をどう読むか
2つの報告は、集めた試験も、比べ方も違います。疲れの測り方も、同じとは限りません。疲れについては、はっきりした答えはまだ出ていないと受け止めるのがよさそうです。
どちらも、運動の後に行う施術を調べたものです。当店の施術を調べたものではありません。当店の施術も、疲れを取ることを目的としたものではなく、ゆっくり過ごしていただく時間としてご用意しています。
サウナとは別の休み方としての、当店の施術
当店にあるのは、タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つのメニューです。リラクゼーションの施術なので、疲れを治すことはできません。
サウナと同じように、施術も体を休める時間の一つとして選んでいただければと思います。どちらがよいかは、その日の体調や、過ごしたい時間によって変わります。
タイ古式マッサージは、服を着たままの施術です。脚から始めて上半身へ進むことが多く、順番や圧の強さはご希望に合わせて変えます。
バリニーズアロマは、オイルを使って体を広く包むように触れていく施術です。
当店が施術でしていること
- 施術の前には、カウンセリングシートでその日の体調をうかがう
- 圧の強さや姿勢は、その日のご希望に合わせる
- 痛みや違和感があれば、施術中でもその場でお知らせいただく
- お休みになってしまっても、終わりの時間にはお声がけする
圧や姿勢は途中でも変えられますので、気軽にお申し付けください。
当店がしないこと
- 骨を鳴らすための急な操作はしません
- 疲れの原因を見立てること、治療することはしていません
- 妊娠中の方(可能性がある方を含む)の施術はお受けしていません
サウナと同じく、持病がある方や体調に不安がある方は、先に医療機関でご相談ください。
疲れが抜けないときに、歩く量や座る時間、眠りから順に見直す考え方は、次の記事にまとめています。
あわせて読みたい:旅行疲れが抜けないのはなぜか。歩数・座りっぱなし・眠りの浅さから考える回復の順番
よくあるご質問
サウナで疲労回復はできますか?
運動の後の赤外線のサウナで、14時間後の筋肉痛が軽かった16人の試験はあります。一方で、筋トレの後にはサウナの有無で差がなかった10人の試験もあります。どちらも小さな試験で、サウナで疲れが取れると言い切れる研究は、まだそろっていません。
サウナは週に何回入るのがよいですか?
フィンランドの研究では、週4〜7回の人で心臓の病気による死亡が少なかったと報告されています。ただし、関わりを調べた研究で、疲れについて調べたものでもありません。研究をまとめた報告では、目的に合った回数はまだ決まっていないとされています。
サウナに朝と夜の2回入ってもよいですか?
1日に2回入る場合を調べた研究は、この記事で当たった中には見つかりませんでした。フィンランドの研究で数えていたのも、週に何回入るかです。回数を増やすほど体への負担も重なるため、その日の体調を見て決めてください。
サウナには何分入るのがよいですか?
疲れを取るために何分がよいかを決めた研究は、見つかりませんでした。死亡との関わりを調べた研究では、1回19分を超える人で、心臓の病気による突然死が少なかったと報告されています。ただ、疲れを調べたものではありません。研究で使われた時間は、20分や30分などさまざまです。めまいや気分の悪さを感じたら、時間に関わらず、すぐに出て休んでください。
サウナを3セットくり返すと疲れるのはなぜですか?
サウナの間や直後には心拍数が上がり、汗もかきます。回数を重ねれば、その分の負担も増えると考えられます。3セットという回数に研究の裏づけはないため、その日の体調に合わせて減らしてください。
サウナの次の日にだるいのはなぜですか?
体の水分不足や、疲れている日の心臓への負担などが考えられますが、原因を一つに決めた研究は見つかりませんでした。だるさが続くときや、ほかの症状があるときは、医療機関で相談してください。
サウナの疲労回復に、科学的根拠や論文はありますか?
サウナに入ったときの体の変化や、長く続けている人の死亡との関わりを調べた論文はあります。一方で、疲れが取れるかを調べた試験は、16人や10人と小さく、結果も分かれています。どの論文が何を調べたかによって、言えることの強さが変わります。
アスリートを対象にした、サウナと疲労回復の研究はありますか?
運動選手を対象にした試験は、この記事でもいくつかご紹介しました。14時間後の筋肉痛が軽かった試験もあれば、筋トレの後に差がなかった試験もあります。走る力が伸びた試験は、疲れではなく走る力を調べたものでした。
サウナで「ととのう」とき、体では何が起きていますか?
サウナの間や直後に心拍数が上がり、出た後に血圧が下がっていたという研究はあります。ただ、「ととのう」という感覚そのものを測った研究は、この記事で当たった中には見つかりませんでした。
サウナに入ると、睡眠の質は上がりますか?
ふだんサウナに通っている482人の調査では、83.5%が睡眠によい変化があったと答えています。ただ、自分から通っている人の答えで、眠りを機器で測った研究ではありません。よく眠れると感じる人が多い、という範囲で受け止めてください。
サウナで血管がボロボロになるというのは本当ですか?
この記事で当たった研究では、サウナで血管が傷むと確かめたものは見つかりませんでした。フィンランドの研究では、サウナによく入る人で心臓や血管の病気による死亡が少なかったと報告されています。ただ、これも関わりを調べた研究で、心臓や血管の病気で通院中の方は、主治医に相談してください。
疲れているときにサウナに入ってもよいですか?
サウナの中では心拍数が上がり、体に負担がかかります。熱っぽい、だるさが強いなど体調が悪いときは、国の注意喚起でも入浴を避けるよう呼びかけています。入るときは、時間を短くするなど、無理のない範囲にしてください。
お酒を飲んだ後に、サウナに入ってもよいですか?
入浴についての国の注意喚起では、飲酒で一時的に血圧が下がるため、アルコールが抜けるまでは入浴しないよう呼びかけています。サウナの後に血圧が下がっていたという研究もあるため、お酒を飲んだ日は控えてください。
サウナと人の手による施術は、疲労回復ではどう違いますか?
サウナと人の手による施術を直接比べた研究は、今回の調査では見つかりませんでした。人の手による施術の研究も、疲れについては結果が分かれています。当店の施術はリラクゼーションを目的としたもので、疲れを治すものではありません。
まとめ
運動の後のサウナで筋肉痛が軽かった試験はありますが、人数は少なく、差がなかった試験もあります。サウナで疲れが取れるかどうかは、まだはっきりしていません。
フィンランドの研究では、週4〜7回入る人で心臓の病気による死亡が少なかったと報告されています。ただ、関わりを調べた研究で、疲れを調べたものではありません。疲れを取るために何分、週何回がよいかも、まだ決まっていません。
「よく眠れる」と感じる人は多い一方で、眠りを測った研究ではありません。「ととのう」やヒートショックプロテイン、デトックスの説明も同じです。この記事で当たった研究では、疲れが取れる理由として確かめられていませんでした。
サウナの間や直後に心拍数が上がり、出た後に血圧が下がっていたという研究もあります。次のようなときは、サウナを控えるか、先に主治医に相談してください。
- お酒を飲んだ後、食事のすぐ後、睡眠薬などを飲んだ後
- 熱っぽい、だるさが強いなど、体調が悪いとき
- 心臓や血管、血圧の病気で通院しているとき(主治医に相談)
- 妊娠中のとき(主治医に相談)
- 男性で、お子さまを望んでいて気になるとき(医療機関で相談)
胸や背中の突然の激しい痛みや、急な息切れがあるときは、すぐに119番に電話してください。
サウナも施術も、疲れを治すものではなく、体を休める時間の一つです。その日の体調に合わせて、無理のない方法を選んでください。ゆっくり過ごす時間がほしいときは、どうぞお気軽にお越しください。お待ちしております。
サウナとは別の休み方として、完全個室で受けるタイ古式マッサージとバリニーズアロマをご用意しています。担当するのは、集中研修を終えて卒業試験に合格したセラピストです。
※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。胸や背中の突然の激しい痛みや、急な息切れがあるときは、119番に電話してください。疲れやだるさが続くときは、内科などの医療機関にご相談ください。

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