タイ古式マッサージ

マッサージチェアと人の手は何が違うのか。「意味ない」「体に悪い」と言われる理由を公的データで確かめる

マッサージチェアの購入を検討して調べていると、気になる言葉が並びます。「体に悪い」「意味ない」「後悔」「効果あるのか」。検索の候補にこうした言葉が出てくること自体が、多くの人が同じ不安を持っていることを示しています。

 

この記事では、その不安に公的なデータで答えます。事故の統計、使ってはいけない状態、そして機械にできることとできないことを、順番に見ていきます。

 

先に立場を明らかにしておきます。私たちは人の手で施術をするサロンです。ただ、この記事で機械を否定するつもりはありません。機械には機械の得意な領域があり、実際によく働きます。書きたいのは、どちらが優れているかではなく、それぞれが何をしているのかという話です。

まず、事故の統計を見ておきます

「体に悪い」という言葉が検索される背景には、実際に起きている事故があります。

 

国民生活センターが2016年2月に公表した資料があります。全国の消費生活センターに寄せられた相談を集めたデータベースがあります。そこから、家庭用電気マッサージ器による危害の相談を集計したものです。

 

2010年から2015年までの6年間で、253件の危害相談が寄せられていました。

 

ここで先に断っておきます。この253件は、マッサージチェアだけの数字ではありません。フットマッサージャーやハンディタイプを含む、家庭用電気マッサージ器の全体です。以下の割合も、その全体に対するものです。

 

項目 内容(家庭用電気マッサージ器の全体)
集計期間 2010年から2015年(公表は2016年2月)
危害相談の件数 253件
被害者の性別 女性が約70%(176件)
被害者の年代 60歳以上が約60%(155件)
医療機関を受診した割合 51.8%(131件)
1か月以上の治療を要した割合 約15%(38件)

 

相談の半数以上が医療機関の受診に至っています。そして、15%は1か月以上の治療を要していました。軽い打ち身で済んだ話ばかりではありません。

どんなケガが起きているのか

危害の内容として、件数の多いものが公表されています。

 

危害の内容(全機器) 件数
擦過傷、挫傷、打撲傷 50件
神経、脊髄の損傷 19件
皮膚の傷害 15件

 

この3つのほかに、骨折、脱臼、捻挫などが報告されています。上の表は件数の多いものを抜き出したもので、253件の全内訳ではありません。

 

注目していただきたいのは、神経と脊髄の損傷が19件あることです。打撲や擦り傷とは重さが違います。

マッサージチェアに限った数字

ここからが、この記事の対象です。

 

機器の種類別に見ると、マッサージチェアが83件で最も多く、次いでフットマッサージャーが49件でした。

 

マッサージチェアによる危害(83件のうち) 件数
神経、脊髄の損傷 7件
筋、腱の損傷 5件
骨折 4件

 

83件のうち、重い損傷が16件を占めています。全体の統計と混同しないよう、以下では機器別の数字と全体の数字を書き分けます。

被害者の6割が60歳以上という事実

この統計で最も重要なのは、被害者の年代です。家庭用電気マッサージ器の全体で、60歳以上が約60%を占めています。マッサージチェアだけの年代別の内訳は公表されていませんが、機器全体でこの傾向が出ていることは押さえておく価値があります。

 

理由は推測できます。加齢とともに骨の密度は下がり、皮膚は薄くなります。同じ強さの圧でも、若い人と高齢の方では体が受ける影響が変わります。

 

そして、マッサージチェアは家庭に置かれる機器です。購入した本人だけでなく、同居する家族も使います。「親にマッサージチェアを買ってあげた」というケースは多いと思います。この統計は、その贈り物にリスクがあることを示しています。

 

贈られた側は、遠慮して不調を言い出しにくいこともあります。強すぎると感じても、せっかく買ってもらったのだから、と使い続けてしまう。この構図が、被害の一因になっている可能性があります。

死亡事故も起きています

重い話になりますが、書いておく必要があります。

 

厚生労働省と消費者庁が、家庭用電気マッサージ器による死亡事故について注意を呼びかけています。旧型のローラー式の機器で、布のカバーを外した状態や破れた状態のまま使用したケースです。

 

衣服やマフラーがローラー部分に巻き込まれ、窒息に至る事故が、平成11年から平成29年にかけて複数件発生しています。栃木県、香川県、北海道、愛知県、山梨県、静岡県などで報告されました。

 

ここから言えることは明確です。カバーが破れたら使わない。外した状態で使わない。首元にマフラーやストールを巻いたまま使わない。この3つは、必ず守っていただきたいと思います。

使ってはいけない状態があります

医薬品医療機器総合機構が、家庭用電気マッサージ器について注意事項を示しています。

 

まず、使用の前に医師に相談すべき状態です。

 

  • ペースメーカーなど、植え込み型の医療機器を使用している
  • 悪性腫瘍がある
  • 心臓に障害がある
  • 骨粗鬆症と診断されている
  • 脊椎に異常がある

 

次に、使用を避けるべき状態です。

 

  • 血栓塞栓症がある
  • 重度の動脈瘤がある
  • 急性の静脈瘤がある
  • 各種の皮膚炎がある

 

この線引きは、私たちが手で施術する場合とほぼ同じです。骨がもろくなっている状態で圧をかけること、血の塊がある状態で脚を刺激すること。これらが危険であることに、機械か人の手かの違いはありません。

 

家庭に機器がある場合、この注意事項が共有されていないことがあります。取扱説明書は購入時に一度読まれるだけで、後から使い始めた家族の目に触れないためです。

正しく使えば、機械はよく働きます

事故の話から入りましたが、これは機械を否定するための材料ではありません。使い方の問題です。

連続10分から15分を目安に

取扱説明書には、1回の連続使用について目安が示されています。おおむね10分から15分以内です。

 

この時間を守っている方は、どれくらいいるでしょうか。テレビを見ながら、あるいはうたた寝をしながら、30分以上使い続けたという経験はないでしょうか。

 

同じ場所に圧が加わり続けると、組織が損傷します。人の手による施術でも、1か所を10分以上押し続けることはしません。取扱説明書の目安を守っていただくのが確実です。

必ず「弱」から始める

国民生活センターも呼びかけている点です。使い始めは必ず弱い設定から入り、体の反応を見ながら調整します。

 

強い刺激を求めてしまう心理は理解できます。強いほうが効いている感じがするためです。ただ、その感覚と、体に起きていることは別です。

 

特に、前に使った人の設定が残っている場合は注意が必要です。家族と共用している機器では、体格の違う人の設定でいきなり動き出すことがあります。

機械が得意なこと

ここは正確に書いておきます。マッサージチェアには、人の手にはない強みがあります。

 

  • いつでも使える。予約も移動も要らない
  • 疲れない。最初から最後まで同じ強さを保てる
  • 広い範囲を一度に扱える。首から脚まで同時に
  • 費用が1回ごとにかからない
  • 人に体を触られることへの抵抗がない

 

特に1つ目と2つ目は、人には真似できません。人の手は疲れますし、施術の後半になるほど圧は不安定になります。決められた時間のあいだ同じ強さを保つことは、機械のほうが確実です。

 

日常的な全身の疲労感をやわらげること、血のめぐりを促すこと。この用途であれば、機械は十分に働きます。

では、人の手とは何が違うのか

ここからが本題です。機械と人の手で、実際に何が違うのかを見ていきます。

押し返してくる力を読んでいる

最大の違いは、圧をかけた瞬間の反応を読んでいるかどうかです。

 

筋肉や筋膜は、粘りと弾力を併せ持つ組織です。押すと、押し返してきます。この押し返す力の強さは、その日の状態、部位、押した深さによって変わります。

 

施術者は、圧をかけた瞬間にこの反発を感じ取っています。そして、体が防御の収縮を起こさないように、圧の深さ、入っていく角度、速さを細かく変えています。これは意識してというより、手が勝手に反応している部分が大きい調整です。

 

機械にも、検出の仕組みはあります。背中の骨格のラインを光学的に読み取り、もみ玉の当たる位置を調整します。3Dや4Dと呼ばれる駆動では、圧の強弱と深さも変わります。

 

ただし、読み取っているのは骨格の位置であって、組織の反発ではありません。圧の強弱もプログラムに沿って変化するもので、押し返してきた力に応じて変えているわけではありません。筋肉が硬くなって抵抗しても、動作は設計どおりに進みます。

揉み返しが起きる仕組み

この違いが、はっきり現れるのが揉み返しです。

 

体は、強い刺激を受けると防御反応として筋肉を収縮させます。守ろうとして硬くなるわけです。硬くなったところにさらに同じ圧が加わることで、筋線維に微細な損傷が生じる。これが翌日の痛みの正体だと考えられています。

 

人の手であれば、防御の収縮が起きた時点で圧を抜きます。抵抗を感じたら、そこで止まる。押し込み続けることはしません。

 

機械の場合、この判断ができません。プログラムされた深さまで押し込みます。だから、体が「もう限界だ」と反応していても、動作は変わりません。

 

揉み返しが起きやすい人と、そうでない人がいます。この差がどこから来るのかを、私たちは断定できません。ただ、体が硬い方ほど強い刺激を求めがちで、結果として設定を上げてしまう傾向はあるように感じています。

ストレッチには、固定が要る

もうひとつ、構造的な限界があります。ストレッチの再現です。

 

筋肉を安全に伸ばすには、その筋肉の両端を正確に遠ざける必要があります。そのためには、体の中心に近い側の関節を固定しなければなりません。固定しないと、伸ばしたい筋肉ではなく、体全体が動いてしまいます。

 

タイ古式マッサージで脚を持ち上げるとき、施術者はもう一方の手で骨盤や反対側の脚を押さえています。この固定があるから、狙った筋肉が伸びます。

 

機械の場合、エアバッグなどで体を保持して背もたれを倒す、という広い範囲の牽引が中心になります。特定の関節だけを固定して、特定の筋肉を伸ばすという操作は困難です。

 

加えて、関節を動かしたときの終わりの感触を感知するセンサーがありません。関節の動きが止まるとき、その止まり方には種類があります。弾力のある止まり方なのか、骨が当たっているような硬い止まり方なのか。人の手はこれを区別しますが、機械には判別する仕組みがありません。

触れることで分かること

手で触れると、圧をかける前に分かることがあります。

 

触れて分かること そこから読み取れること
左右の張りの差 負担が偏っている側。日常の姿勢の癖
皮膚の温度 熱を持っていれば血流が多い状態、冷たければ滞っている可能性
組織の抵抗感 どこまで押していいか。止めるべき深さ
皮膚の動き方 下の組織との滑りが悪くなっている場所

 

現在の機械にも、背中の骨格のラインを光学的に高い精度で読み取る機能があります。骨の位置を検出して、もみ玉の当たる場所を調整します。

 

ただ、皮膚の温度の細かな差や、筋膜の滑りの悪さといった情報もあります。こうした動的で質的な情報をその場で評価し、動作に反映させる段階には達していません。読み取れているのは骨格の形であって、組織の状態ではないということです。

 

あわせて読みたい:【痛くないのに奥まで届く】ラダシア式・重力を活かす施術の秘密

機械は、何を再現しようとしているのか

機構の側から見ると、設計の意図がよく分かります。

 

機械の仕組み 再現しようとしている手技
シリコン製のもみ玉 親指での圧迫、手のひらの付け根での圧迫、揉む動作
背もたれに沿って長く動くレール 首からお尻、太ももの裏まで通す長いストローク
エアバッグ 手のひら全体での圧迫、手足を包んで流す動作
3Dや4Dの独立駆動 圧の強弱と深さの変化
センサーによる自動検索 触診による骨格の把握

 

この表を見ると、機械が人の手の何を再現しようとしてきたかが分かります。もみ玉の素材が硬いプラスチックからシリコンゴムへ変わってきたのも、指の硬さと食い込みの感触に近づけるためです。

 

設計している側は、人の手の動きを丁寧に観察してきたのだと思います。首からお尻、太ももの裏までを1本のレールで通すという発想がその例です。施術者が体の位置を変えながら全身をつないでいく流れを、1本の軌道として写し取ったものだと言えます。技術の蓄積が、そこにあります。

 

再現の努力は続いています。そして、実際にかなりの部分が再現されています。残っているのは、動作そのものではなく、動作を変える判断のほうです。

どのくらいの家庭にあるのか

普及の状況にも触れておきます。

 

世帯への普及率は、おおむね1割から2割程度とされています。ただし、この数字の根拠になる公的な調査は年次が古く、業界の推計と混ざった形で語られていることが多い数字です。正確な最新値として受け取らず、おおよその規模感としてお読みください。

 

家電量販店の目立つ場所に並んでいますし、温泉施設やゴルフ場にも置かれているため、身近な存在に感じます。ただ、自宅に置いている世帯はそこまで多くない、という水準です。

 

理由は、置き場所と価格でしょう。どちらも簡単には解決しません。だからこそ、購入前の検討が重要になります。

フットマッサージャーでも事故は起きている

先ほどの統計には、続きがあります。機器別の危害相談で、マッサージチェアの83件に次いで多かったのが、フットマッサージャーの49件でした。

 

脚だけの機器だから安全、ということにはなりません。むしろ、手軽に使えるぶん、使用時間が長くなりやすいという面があります。

 

脚に圧をかける機器については、注意すべき状態があります。血栓塞栓症、重度の動脈瘤、急性の静脈瘤がある場合は使用を避けることとされています。脚に血の塊がある状態で外から圧をかけることの危険は、機械でも人の手でも変わりません。

 

血管が瘤のように浮き出ている、片脚だけが急に腫れて痛む。こうした状態がある場合は、機器の使用を止めて医療機関でご相談ください。

「意味ない」と言われる理由

検索の候補に「意味ない」という言葉が出てくる理由を考えてみます。

 

機械がまったく効かないということではありません。実際、使った直後は気持ちよく、体は軽くなります。問題は、期待していたことと、実際にできることのあいだにずれがあることです。

期待と、できることのずれ

期待していること 機械にできること
肩の一点にあるこりを取ってほしい 肩の周辺を広く刺激する。一点を特定はできない
体の歪みを整えてほしい 左右の非対称を検出して個別に対応することは難しい
痛みの原因を見つけてほしい 骨格の形は読み取るが、状態の評価は行わない。なお私たちも診断は行わない
その日の体調に合わせてほしい 設定を選ぶのは使う側。機械の側からは判断しない
疲れを取ってほしい 全身の疲労感の緩和と血行の促進には有効

 

表の最後の行だけが一致しています。全身の疲れをやわらげたい、という目的であれば、機械は期待に応えます。

 

一方、「この肩のこりをなんとかしてほしい」「左右の差を直してほしい」という期待に対しては、応えられません。個々のこりの位置や、骨格と筋膜のねじれに対して、その場で角度と圧を変えながらアプローチすることは、構造上できないためです。

 

「意味ない」という感想の多くは、この後者の期待を持って使った結果だと考えられます。機械の性能が低いのではなく、その用途には向いていないということです。

使い続けても変わらない、という状態

もうひとつ、よく伺うのが「最初は効いたけれど、だんだん効かなくなった」という話です。

 

体が刺激に慣れる、という説明がされることがあります。それも一因かもしれません。ただ、別の可能性もあります。

 

機械は毎回、同じ動作をします。同じ軌道、同じ深さです。すると、当たる場所も同じになります。当たり続けた場所は変化しますが、当たらない場所は変わりません。

 

体の不調は、当たらない場所にあることがあります。お尻の奥、股関節の前側、体の前面。これらは、座った姿勢のままでは触れられない場所です。

 

肩甲骨の内側については、レールが背中を通るので当たります。ただし、当たり方が違います。人の手であれば、肩甲骨の縁に指を差し入れて、内側の面に沿って圧をかけられます。背中の表面を通過するもみ玉には、この角度が作れません。

 

あわせて読みたい:【徹底比較】もみほぐしとタイ古式マッサージの違いは?「点」と「面」で見る決定的な差と、失敗しない選び方

買って後悔しないために

購入を検討されている方に向けて、実務的な話を書いておきます。

置き場所を先に決める

後悔の理由として多いのが、置き場所の問題です。

 

マッサージチェアは大きく、重いものです。リクライニングするため、背面にも空間が必要になります。カタログの寸法だけで判断すると、実際に置いたときに部屋の動線を塞ぐことがあります。

 

そして、いったん置くと動かせません。模様替えができなくなる、掃除がしにくくなるといった不便が、日常的に続きます。

 

購入前に、床にテープを貼って実寸を確認されることをお勧めします。倒したときの奥行きまで含めて確認してください。

誰が、どのくらい使うのかを想定する

もうひとつは、使用の頻度です。

 

買った直後は毎日使います。1か月後、3か月後にどうなっているか。ここを冷静に見積もっておくと、判断が変わることがあります。

 

週に1回しか使わないのであれば、その頻度に見合った選択肢が他にもあります。逆に、家族が複数人で毎日使うのであれば、費用の面で機械が有利になります。

高齢の家族に贈る場合

先に挙げた統計を、もう一度思い出してください。家庭用電気マッサージ器による危害の被害者は、60歳以上が約60%を占めていました。

 

贈る場合は、機器を渡して終わりにしないでください。使い方を一緒に確認してください。必ず弱い設定から始めること、連続10分から15分を目安にすること、持病がある場合は医師に相談すること。この3つを口頭で伝えてください。

 

取扱説明書を読む習慣がない方も多くいらっしゃいます。そして、強すぎると感じても、贈ってくれた相手には言い出しにくいものです。使い始めてしばらくしてから、「痛くない?」と確認する機会を作っていただければと思います。

使い分けの考え方

結論を書きます。どちらか一方を選ぶ必要はありません。

 

状況 向いているもの 理由
1日の終わりに全身の疲れをやわらげたい 機械 いつでも使えて、費用が1回ごとにかからない
寝る前に体を温めたい 機械 移動が要らず、そのまま眠りに入れる
特定の場所のこりが取れない 人の手 一点を特定し、角度と圧を変えられる
左右の差が気になる 人の手 触れて差を確認し、片側だけ扱える
体が硬く、動く範囲を広げたい 人の手 関節の固定をともなうストレッチができる
揉み返しが起きやすい 人の手(ただし強さの相談は必須) 抵抗を感じた時点で圧を抜ける。ただし人の手でも起こりうる
とにかく休みたい、眠りたい どちらでも 環境と好みで選ぶ

 

日常の疲れは機械で、月に1回程度は人の手で。この組み合わせを取られている方が、実際に多くいらっしゃいます。

 

機械を持っていることは、サロンに来る理由がなくなることを意味しません。役割が違うためです。逆に、サロンに通っているから機械が不要ということもありません。毎日の手当てとしては、機械のほうが現実的です。

1週間の組み立て方

両方を使っている方が、実際にどう組み合わせているかを書いておきます。

 

タイミング 使うもの 目的
平日の夜、毎日 機械(10分から15分) その日の疲れをその日のうちに。眠りに入りやすくする
週末 入浴と睡眠 土台の回復。機械を使う場合も10分程度にとどめる
月に1回程度 人の手 左右の差の確認。届かない場所への働きかけ
疲れが強い時期 人の手を2週間に1回 繁忙期や季節の変わり目に間隔を詰める

 

この形の利点は、毎日の手当てと、定期的な確認が分かれていることです。

 

毎日のケアは、機械のほうが続きます。予約も移動も要らず、思い立ったときに使えるためです。一方、月に1回の確認は人の手でないとできません。左右の差や、前回からの変化は、触れて初めて分かるものだからです。

 

施術を受けた当日は、平日であっても機械の使用を控えていただくほうが無難です。異なる刺激が重なると、体がどちらに反応しているのか分かりにくくなります。翌日以降であれば、通常どおりお使いいただけます。

 

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よくあるご質問

マッサージチェアは体に悪いのでしょうか?

正しく使えば問題ありません。ただし、使い方を誤ると危害が起きています。

 

国民生活センターが2016年2月に資料を公表しています。家庭用電気マッサージ器の全体で、2010年から2015年の6年間に253件の危害相談が報告されていました。医療機関を受診した割合は51.8%、1か月以上の治療を要した割合は約15%です。

 

このうちマッサージチェアによるものが83件で最も多くなっています。そのなかには、神経と脊髄の損傷が7件、筋と腱の損傷が5件、骨折が4件含まれていました。

 

守っていただきたいのは4つです。連続使用は10分から15分を目安にすること。必ず弱い設定から始めること。カバーが破れた状態や外した状態で使わないこと。持病がある場合は事前に医師に相談することです。

 

3つ目については補足します。死亡に至った事故が報告されているのは、旧型のローラー式の機器です。現行の機種で同じ形の事故が起きているわけではありません。ただ、カバーは安全のために付いているものです。破れたら使用を止めて交換してください。

 

使用前に医師への相談が必要とされているのは、次の状態です。

 

  • ペースメーカーなどの植え込み型医療機器を使用している
  • 悪性腫瘍がある
  • 心臓に障害がある
  • 骨粗鬆症と診断されている
  • 脊椎に異常がある

 

また、血栓塞栓症、重度の動脈瘤、急性の静脈瘤、皮膚炎がある場合は、使用を避けることとされています。

マッサージチェアは意味がないのでしょうか?

目的によります。

 

1日の終わりに全身の疲労感をやわらげる、血のめぐりを促す。この目的であれば、機械は十分に働きます。いつでも使えて、疲れず、広い範囲を一度に扱えるという強みは、人の手にはないものです。

 

一方、特定の場所のこりを取る、左右の差を整える、関節の動く範囲を広げるという目的には向いていません。個々のこりの位置を特定して、その場で角度と圧を変えるという操作が、構造上できないためです。

 

「意味ない」という感想の多くは、後者を期待して使った結果だと考えられます。用途が合っていないだけで、性能の問題ではありません。

マッサージチェアが、使っているうちに効かなくなってきたのはなぜですか?

2つの可能性があります。

 

1つは、刺激に慣れることです。同じ強さを繰り返し受けると、感じ方が変わります。

 

もう1つは、当たっていない場所に原因がある場合です。機械は毎回ほぼ同じ軌道で動くため、当たる場所も同じになります。座った姿勢では触れられない場所があります。お尻の奥、股関節の前側、肩甲骨の内側の深い層。ここに原因がある場合、機械をいくら使っても状況は動きません。

 

強さを上げて解決しようとすると、危害のリスクが上がります。効かなくなったと感じたら、強度を上げる前に、当たっていない場所を疑ってみてください。

マッサージチェアを買って後悔した人はいますか?

いらっしゃいます。理由として多いのは3つです。

 

1つ目は、置き場所です。大きく重いため、いったん置くと動かせません。リクライニングの分の空間も必要になります。購入前に、床にテープを貼って倒したときの奥行きまで確認されることをお勧めします。

 

2つ目は、使用頻度です。買った直後は毎日使いますが、数か月後には週に1回になっているというケースがあります。その頻度を見積もってから判断されると、後悔が減ります。

 

3つ目は、期待とのずれです。特定のこりを取ってくれると思って買ったものの、そこには届かなかったという場合です。

マッサージチェアで無重力の姿勢になるタイプは、何が違うのですか?

体を倒して、脚を心臓より高い位置に持ち上げる姿勢を取るものです。背中と脚にかかる重力の負担が分散されるため、体をあずけやすくなります。

 

脚を高くする姿勢そのものには意味があります。立ち仕事や長時間の移動のあと、脚に溜まった水分が戻りやすくなるためです。

 

ただ、これは姿勢の話であって、圧のかけ方の話ではありません。触れて状態を読み取る、抵抗を感じたら圧を抜くという部分は、姿勢が変わっても同じです。

マッサージチェアは毎日使っても大丈夫ですか?

連続使用の時間を守っていただければ、毎日でも問題ありません。1回10分から15分が目安です。

 

気をつけていただきたいのは、長時間の使用です。テレビを見ながら、うたた寝をしながらで30分以上使い続けると、同じ場所に圧が加わり続けます。タイマーを設定されることをお勧めします。

 

また、使った翌日に痛みが出る場合は、強度が体に合っていない可能性があります。この場合は設定を下げてください。痛みが続くようであれば、使用を止めて医療機関でご相談ください。

マッサージチェアと施術は、併用できますか?

できます。むしろ、組み合わせている方が多くいらっしゃいます。

 

日常の疲れは毎日機械で、月に1回程度は人の手で。この形が現実的だと考えています。毎日サロンに通うことはできませんし、月に1回の施術だけでは、あいだの29日をどう過ごすかという問題が残ります。

 

施術を受けた日は、その日のうちに機械を使うことは避けていただくほうが無難です。同じ日に複数の刺激が重なると、体の反応が読みにくくなります。

マッサージチェアで揉み返しが起きたときは、どうすればいいですか?

痛みが出ているあいだは、その部位への刺激を止めてください。機械も、手によるマッサージも避けます。

 

先に書いておきます。揉み返しは、人の手による施術でも起こります。圧が強すぎた場合、体調に対して施術が重すぎた場合に生じます。私たちも、初めての方には弱めから入り、施術中に強さを確認しています。それでも翌日に痛みが出た場合は、次回にお知らせください。組み立てを変えます。

 

揉み返しの仕組みは、こう考えられています。強い刺激に対して筋肉が防御の収縮を起こし、そこにさらに圧が加わることで微細な損傷が生じた状態です。損傷が残っている段階で刺激を重ねると、それを広げることになります。

 

数日で引いていくのが通常です。1週間以上続く場合、しびれをともなう場合、力が入らない感覚がある場合は、医療機関でご相談ください。

マッサージチェアの強さの設定は、どう選べばいいですか?

必ず弱い設定から始めて、そこから上げていってください。国民生活センターも、この点を呼びかけています。

 

判断の目安は、痛気持ちいいと感じる手前です。痛いと感じた時点で、体は防御の反応を始めています。その状態で使い続けると、翌日に痛みが残ることがあります。

 

特に注意していただきたいのが、家族で共用している場合です。前に使った人の設定が残っていると、体格の違う人がいきなり強い刺激を受けることになります。使う前に設定を確認する習慣をつけていただければと思います。

 

もう1つ、その日の体調によって適切な強さは変わります。疲れているときほど強くしたくなりますが、疲労が溜まっている状態は、組織が損傷しやすい状態でもあります。疲れている日ほど、弱めから入ってください。

肩こりがひどいのですが、マッサージチェアで解決しますか?

肩の周辺を広く刺激することはできます。ただ、こりの一点を特定してそこに働きかけることは、構造上できません。

 

そして、肩こりの原因が肩にないことがあります。長時間のデスクワークで背中が丸まり、頭の重心が前に出ている場合、負担がかかっているのは首の後ろと肩の上部です。この場合、原因は姿勢のほうにあります。

 

座ったまま受ける機械では、体の前面に触れられません。胸の前側が縮んで肩が内側に入っている場合、背中側をいくらほぐしても、引っ張っている側は変わらないままです。

 

肩こりが長く続いている場合、機械の強度を上げても状況は動きにくいと考えられます。ただし、私たちも原因を診断する立場にはありません。触れて分かるのは、どこが張っているか、左右でどう違うかまでです。痛みが長く続く場合は、整形外科でご相談ください。

ラダシアではマッサージチェアを置いていますか?

置いていません。タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化しており、施術はすべて人の手で行っています。

 

これは機械を否定する立場からではなく、私たちが提供できる価値がどこにあるかという判断によるものです。触れて状態を読み取ること、抵抗を感じた時点で圧を変えること、関節を固定してストレッチを行うこと。この3つに時間を使っています。

まとめ

マッサージチェアと人の手の違いを、公的なデータと生理学の両方から見てきました。

 

まず、事故は実際に起きています。国民生活センターが2016年に公表した資料を見てみます。家庭用電気マッサージ器の全体で、6年間に253件の危害相談がありました。被害者の約60%が60歳以上です。このうちマッサージチェアによるものが83件で最も多く、神経と脊髄の損傷が7件含まれています。使用前に医師への相談が必要な状態と、使用を避けるべき状態も定められています。

 

そのうえで、機械には明確な強みがあります。いつでも使えること、疲れないこと、広い範囲を一度に扱えること。日常の全身的な疲労感に対しては、十分に働きます。

 

違いが出るのは、その場で判断を変えられるかどうかです。人の手は、圧をかけた瞬間の押し返しを感じ取り、防御の収縮が起きる前に圧を抜きます。関節を固定してストレッチを行い、触れて左右の差や皮膚の温度を読み取ります。機械が読み取っているのは形であって、状態ではありません。

 

「意味ない」と言われる理由は、この違いにあります。全身の疲れをやわらげたいという期待には応えます。一方、特定のこりを取ってほしい、左右の差を整えてほしいという期待には応えられません。

 

結論は、使い分けです。日常の手当ては機械で、月に1回程度は人の手で。どちらか一方を選ぶ必要はありません。毎日サロンに通うことはできませんし、月に1回の施術だけでは、あいだの日々をどう過ごすかという問題が残るためです。

 

機械では届かない場所に心当たりがある方、揉み返しが起きやすい方、左右の差が気になる方は、一度人の手で確かめてみてください。触れてみて初めて分かることがあります。

 

ラダシアのご予約はこちらから

 

タイ古式マッサージとバリニーズアロマの2つに専門特化し、全店舗を完全個室でご用意しています。セラピストは15日間の研修と卒業試験を経て現場に立っていますので、初めての方もご安心ください。

 

※当店の施術はリラクゼーションを目的としたものであり、医療行為ではありません。疾病の治療や症状の改善を目的とするものではなく、診断や治療は行っておりません。痛みが続く場合や気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。

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